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AUG 13, 2022 インタビュー

人気落語家・林家たい平主演映画『でくの空』(8/26公開) 島春迦監督インタビュー!人はなぜ、身近な人の死を乗り越えていけるのか

従業員の事故死を償うために店をたたみ、代行屋で働き始めた男の心の再生の物語『でくの空』が8月26日より劇場公開される。

映画『でくの空』

主演を務めるのは、『笑点』の大喜利メンバーで、ロケ地のひとつである秩父市の観光大使でもある落語家の林家たい平。家族や街の人たちに支えられ、部下の死を乗り越えていく主人公・周介の生きざまを真摯に表現している。そのほか、死んだ従業員の母・冴月役を役柄と同じく陶芸家でもある結城美栄子、部下の死によって店をたたんだ弟・周介を思いやる姉役に、埼玉県寄居町ふるさと大使でもある熊谷真実、さらに息子・周平に寄り添う父親役で映画への造詣が深い林家ペーが集結!

映画『でくの空』

今回、劇場公開に先駆け、林家たい平をはじめとする個性豊かなキャストを一つに束ね、エモーショナルな人間ドラマを作り上げた島春迦監督のオフィシャルインタビューをお届けする。その前に、あらすじを少々。

映画『でくの空』

電気工事店を営んでいた周介(たい平)は、長年コンビを組んでいた従業員の工事中の事故死によって店をたたみ、父・啓吉(ぺー)の元に身を寄せる。事故の真相を秘めたまま、死んだ従業員の母・冴月(結城)の世話を焼くが、彼女は頑として打ち解けない。失業し、姉の活美(熊谷真実)が営むよろず代行屋に拾われたことから、周介は便利な世の中の隙間に涌くさまざまな困りごとの中に投げ込まれる。心の痛手に苦しみ、助けを必要とする人々に活を入れられながら、次第に周介は立ち直りの萌しを見せはじめる。

<島春迦監督インタビュー>

映画『でくの空』島春迦監督
島春迦監督

ーー本作の経緯をお教えください。

島監督:ここ数年で両親や弟が立て続けに他界し、いろいろな悔いが湧き起こってくるなかで、人はどのようにして身近な人の死を乗り越えていけるのか考えるようになりました。こういうことは誰の身にも起こることですので、その過程をある男の生き様を通して辿ってみたいと思いました。

ーー各キャストには撮影前にどのような話をしましたか?

島監督:演じようとする前に、まずそこに居てください、というような話をしたと思います。屋内でも屋外でも、映画の撮影は「現場」で行なわれます。キャストには、地に足をつけて、深呼吸して、そこに居ることから始めてほしいと思っています。そこからリアリティが生まれると思います。

ーー周介の心の再生を描くための趣味として、歌と俳句をやっているという設定にした理由はありますか?

島監督:たい平さんが実際に俳句を詠まれていることと、歌がうまいということがありました。わたし自身も戯曲やシナリオを書く前は、短歌や俳句、詩を書いていました。すべてをセリフで説明するのではなく、同じ言葉を使うのでもそこから世界が広がったり、本質的なことを言い当てたりする表現を取り入りたいと思いました。

ーーペーさんの山のシーンなど、セリフがないシーンに新鮮な魅力を感じましたが、撮影していていかがでしたか?

島監督:撮影前にたい平さんから連絡がありました。「ペー師匠が心配だ」と(笑)。どういうことかなと思っていたら、ぺーさん、全くセリフを覚えて来ませんでした(笑)。いくらか忘れるというキャストは多いのですが、白紙で臨まれるキャストは初めてでした。でも現場ではとても謙虚で真剣そのもの。白紙だったからこそ、いい味わいが生まれたのではないでしょうか。 

映画『でくの空』

ーートランポリンのシーンなど、特に子供のシーンはドキュメンタリーのように感じましたが、撮影で工夫したことはありますか?

島監督:この映画だけではなく、わたしの映画には地域キャストがたくさん登場します。寄居や秩父、皆野、深谷、熊谷、桶川など県内に住む出演者で、常連になっている人たちもいます。地域に拠点を置いて映画を撮る以上、身近な人たちに映画に参加してもらい、ロケ地やそこでの暮らしに根ざした表現をしたいという気持ちがあります。撮影ではできるだけリラックスしてもらうことを心がけました。句会の撮影シーンでは、助監督が意図的にカチンコを打たずに、リハーサルと本番の境目をなくして撮りました。子供を撮影するときもそうです。みなさん現場を楽しんでくれているようで、成長が頼もしいです。

映画『でくの空』

ーー本作の見どころをお教えください。

島監督:林家たい平さんと林家ペーさんが、普段のイメージとは異なる落ち着いた演技をしていますので、注目していただければと思います。結城美栄子さんの存在感や、熊谷真実さんの切れのいい演技も見どころです。

ーー最後に読者にメッセージをお願いします。

島監督:首都圏にほど近い埼玉北西部の景観や、地域キャストの皆さんの活躍なども併せてご覧になっていただければと思います。

日本劇場公開:2022年8月26日(金)よりアップリンク吉祥寺ほか全国順次公開

公式サイト:dekunosora.jimdofree.com    

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