トランスジェンダーの主人公と少女の絆を描き大きな話題となった『ミッドナイトスワン』から5年。内田英治監督自ら原案・脚本も務めた最新作『ナイトフラワー』(11月28日(金)全国公開決定!)は、昼はパート、夜はスナックで働くギリギリの生活の中で、やがて二人の子供の夢を叶えるためにドラッグの売人に手を染める母親の姿を描いたヒューマン・サスペンス。
主人公・永島夏希を演じるのは、『ファーストラヴ』『スマホを落としただけなのに』『ラーゲリより愛を込めて』など数々の話題作で主演・主要キャストを務めてきた北川景子。全世代から絶大な支持を誇る彼女が、その品行方正なイメージを封印。ほぼスッピンで顔を崩しながら大きく笑い、関西弁で捲し立て、泣きじゃくり、夜のネオン街を全力で駆け回るなど、今まで見せたことのない表情で強くたくましい母親を熱演している。脚本を初めて読んだ時、「打たれたような衝撃を受けた」という北川が、本作に込めた熱い思いをインタビューで語った。
<Story> ギリギリの生活の中で二人の子供を育てる夏希(北川)は、子供たちの夢を叶えるため、危険な仕事に手を出すことを決意する。それは“ドラッグの密売”だった。昼は母親として、夜はドラッグの売人として生きる夏希の行き着く先は、輝く未来か、それともー。
●北川景子単独インタビュー
ーー脚本を読んだ時の印象を教えてください。
北川:苦しい生活の中で二人の子供を育てる夏希が、子供たちの夢を叶えるために危険な仕事に手を出してしまう。打たれたような衝撃を受けました。
夏希は自分ではどうにもならない状況の中で、子どもを生かしていくことに一生懸命です。飢えさせないために、恥をかかせないために、生活費を手に入れるために、ドラッグを密売するという決して越えてはならない一線を越えてしまいますが、果たしてそれは悪なのか、罪なのか、と考えてしまいました。親として、子どもを守るということ。生かすということ。人が社会で命懸けで生きることの現実の厳しさを目の当たりにし、言葉を失ってしまいました。一方で、厳しい生活の中で、夏希や子どもたちが楽園を見つけた一瞬の幸せ、煌めきが眩しく、この家族に温かい光が差して良かったと思いました。
ーー本作に出演する事を決めた、最も惹かれた要素があれば教えてください。
北川:内田監督からお声がけをいただき、何が何でもご一緒したいと思いました。「落日」でご一緒して、内田監督の人柄や、作られる作品の世界観にどっぷりとはまりました。内田監督のオリジナル脚本作品でご一緒できるという点が最も惹かれた点です。また、脚本を読んだ後に作品の世界観から抜け出すことができず、「夏希は、どうすれば良かったのか」と考え続け、答えが出なかったことも惹かれた点でした。夏希は、偶然にも最悪な条件が重なってしまった母親ですが、ひょっとすると私だったり、他の誰かだったりするのかもしれない。決して他人事ではないのだと感じました。
ーー演じられた夏希というキャラクターの魅力を教えてください。
北川:苦しい状況の中でも、子どもたちの幸せ、子どもたちの笑顔を1番に考え、己が出し得る限りのエネルギーを子どものために発している人です。大変でも明るさを忘れない、ユーモアのある人だと思います。ドラッグの密売は正しいことではありませんが、子どものために全てを投げ打ってでも、という考え方に強く惹かれます。
ーー内田監督の演出で印象に残っていることはありますか?
北川:クランクインの前に芝居のリハをしました。子役の方々とエチュードをやっていく中で、各々のキャラクターを定めていかれました。私のキャラクターは関西弁で、「監督が関西で見たことがあるお母さん」のようにということで、どんなお母さんが居たか地元にいた頃を思い返しながらセリフの言い回しなどを考えて提案させて頂きました。内田監督はいつも役者に任せてくださる監督だと感じています。「良いね」と言ってくださるたびに、「良いんだ!」と嬉しくなり、自由に暴れさせていただきました。
ーー本作を楽しみにしている方、ご覧になる方へメッセージをお願いします。
北川:この度映画「ナイトフラワー」で永島夏希役を演じます。北川景子です。夏希は、誰か周りに支えてくれる人、助けてくれる人がいれば道を踏み外すことはなかった人です。家庭に恵まれず、社会の救いの手が行き届かないという状況で、必死にもがき、生きようとします。子どもを守りたいという母の強い想い、腐った世界でもなんとか前向きに生きようとする泥臭さを、見守っていただけたら幸いです。

<Staff & Cast> 原案・脚本・監督:内田英治/出演::川景子/製作:「ナイトフラワー」製作委員会/配給:松竹/公式サイト:https://movies.shochiku.co.jp/nightflower
©2025「ナイトフラワー」製作委員会