2024 年 10 月 28 日(月)~11 月 6 日(水)に開催する「第 37 回東京国際映画祭」(TIFF)では、重要なテーマの一つとして「映画の未来の開拓」を掲げている。その一環として、中学生向けの映画制作ワークショップ「TIFF ティーンズ映画教室 2024」(企画運営:一般社団法人こども映画教室®)を夏休み期間中に実施することが決定した。特別講師として『すばらしき世界』『永い言い訳』などの作品で知られる西川美和監督を迎え、大田区にある施設を拠点に、中学生が映画監督やプロの映画スタッフとともに本格的な映画づくりに挑戦する。なお、完成した作品は今年度の東京国際映画祭にてワールドプレミア上映を予定している。
◆コメント◆
私は映画監督を職業にしていますが、自主映画を一本も撮ったことがありません。最初にこの仕事をするようになった時からプロの現場で、プロたちの仕事の役割分担と、プロの手順でしか映画を作った経験がないのです。ですから TIFF ティーンズ映画教室の作り方を聞いて、びっくりしました。初めて会った人とチームを作って、監督になる人も決めず、みんなのアイデアを出し合って、シナリオもなく撮る。そんなやり方で映画が作れるんだろうか? 私にはさっぱり作り方がわかりません。だけど、作れたらすごいなと思います。自分自身の価値観も、大きく変わるんじゃないかとわくわくしています。大人の映画人たちが誰もやっていない映画作りに、ぜひ挑戦して、楽しんでください。8 日間、お手伝いできることがあれば何でもしたいと思います。よろしくお願いします。
第 37 回東京国際映画祭ユース部門特別企画 「TIFF ティーンズ映画教室 2024」開催概要
「TIFF ティーンズ映画教室 2024」」は、本格的な映画づくりに挑戦するワークショップ。プロの映画監督やスタッフとともに、プロット作りから撮影、編集など映画作りのすべての過程を中学生たち主体で進めていく。そして完成作品は、今秋開催の東京国際映画祭のスクリーンでワールドプレミア上映を実施。全国各地でこどもたちを対象に、映画鑑賞・制作ワークショップを開催してきた「一般社団法人こども映画教室®」と共に、特別講師として『すばらしき世界』の西川美和監督を迎え、都内をロケ地に映画制作を行なう。
◆開催日時(予定):活動時間については進捗によって予定が変更される場合もある
●8/2(金) 9時半集合 ワークショップ 10:00~17:30 ガイダンス、お話づくりワーク
●8/3(土)、5(月)、6(火)、7(水) 9 時 45 分集合 ワークショップ/10:00~17:30 お話づくりワーク、撮影
●8/9(金)、10(土) 9 時 45 分集合 ワークショップ 10:00~17:30 撮影、編集
●8/11(日・祝) 9 時 45 分集合 ワークショップ 10:00~19:00 編集、上映 ※(1)
会期中(10/28-11/6) ワールドプレミア上映(日時は後日発表)※(2)(3)(4)
(1)上映会のため、最終日8月 11 日(日・祝)のみ 19 時まで
(2)完成作品と 8 日間のメインキング映像作品を上映
(3)映画教室に参加する中学生はゲストとして参加
(4)同時期に開催される映画教育国際シンポジウム 2024(仮称)のゲストも鑑賞予定
◆場所:大田区施設と東急多摩川線沿線
◆対象:中学生 / 定員:18 名
◆参加費:無料 / メイキング映像を含む DVD&文集:6,000 円
◆申込み:2024 年 6 月 3 日(月)~7月 15 日(月・祝)まで、映画祭公式サイト(www.tiff-jp.net)より申し込む ※応募者多数の場合は抽選。 ※申込みは全日程参加可能な方を優先。
◆主催:公益財団法人ユニジャパン(第 37 回東京国際映画祭実行委員会)、共催:東京都、大田区、後援:公益財団法人大田区文化振興協会、企画運営: 一般社団法人こども映画教室®
◆お問い合わせ:「TIFF ティーンズ映画教室 2024」事務局:teens_meet_cinema@tiff-jp.ne
◆中学生と映画をつくるということ◆
映画には、正解はありません。チームのみんなが「これがいい!」と出した納得解があるだけです。このとき、①大人が手出し口出ししない、ことで、こどもたちが否応なしに自ら考え、コミュニケーションをとり、決定していきます。そして、②本物の映画人に出会う、ことで、真摯なものづくりや映画人の‟映画観“を体感していきます。講師やスタッフは中学生たちを見守り、応援し、認めていきます。このことは彼ら彼女らにとって大きな自信となるでしょう。多感な中学生たちにとって、この「人とかかわらずには完成させられず」また「自分と向き合わずにはいられなくなる」映画づくりという体験は、その人生において大きな意味を持つものになると思います。この活動は、映画づくりというキャリア教育でもあり、また、コミュニケーション能力を培うものでもあり、メディアリテラシーでもあり、なにより人間教育としてこどもたちの大きな成長の機会となるでしょう。(一般社団法人こども映画教室®代表 土肥悦子)