映画『ゴヤの名画と優しい泥棒』本作が長編遺作となったロジャー・ミッシェル監督生前の貴重なインタビュー映像公開
ミッチェル監督いわく、 "実話に基づく物語”という注釈がなければ 荒唐無稽な話だよ。
今回のスペシャル・インタビューでは、まず本作が実話であることに触れ、「”実話に基づく物語”という注釈がなければ、荒唐無稽な話だと思うよ。でも実話だし引き込まれる」とコメント。脚本を読んで「イーリング・コメディみたいだと思ったね。60年代初頭のファミリー映画の偉大な作品をも彷彿させた」と話すミッシェル監督は、「ドタバタとも茶番劇とも違う。軽妙なコメディー作品で、ペーソスとドラマがあるが、笑えるところもある。脚本のクライブとリチャードは、面白さと事実を兼ね合わせた、すばらしい仕事をしてくれた」とその魅力を語り、脚本家へ賛辞を贈った。
また、主人公のケンプトンを演じたジム・ブロードベントについては「笑えて愛嬌があり、おかしくて存在感もあり、リアリティもある。見事にハマっている。最高の演技じゃないかな」と絶賛。ケンプトンの妻ドロシー役を演じたヘレン・ミレンの変貌ぶりに「驚きを隠せなかった」と語っている。そして最後に、「きっと笑って見てもらえるよ。気分が高揚して楽しめる。イギリス人好みの映画だから、見終わると笑顔になってるよ」とコメントを遺した。
<ロジャー・ミッシェル監督/プロフィール>
1956年6月5日、イギリス外交官の息子として南アフリカで生まれる。『ジェイン・オースティンの説得』(95/日本未公開)で長編映画デビュー。その後、ゴールデングローブ賞の最優秀作品賞にノミネートされたジュリア・ロバーツとヒュー・グラント共演の『ノッティングヒルの恋人』(99)で、一躍世界的脚光を浴びる。主な監督作に、『Jの悲劇』(04)、『恋とニュースのつくり方』(10)、『私が愛した大統領』(12)、『ウィークエンドはパリで』(13)、『ブラックバード 家族が家族であるうちに』(21)などがある。今後の公開作として、エリザベス2世の素顔に迫ったドキュメンタリー『Elizabeth』(22)が控えていたが、21年9月22日に65歳の若さでこの世を去る。本作が最後の長編映画作品となった。
<Story>
1961年にロンドン・ナショナル・ギャラリーで実際に起きたゴヤの名画「ウェリントン公爵」盗難事件の知られざる真相を描いた本作。事件の犯人ケンプトン・バントンは、テレビに社会との繋がりを求めていた時代に、孤独な高齢者の生活を少しでも楽にしようと、盗んだ絵画の身代金で公共放送(BBC)の受信料を肩代わりしようと企てたのだ。しかし、事件にはもう一つの隠された真相が…。
©PATHE PRODUCTIONS LIMITED 2020