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AUG 14, 2023 インタビュー

岡崎紗絵、異母姉役の松井玲奈につきまとうストーカーに!「憧れが嫉妬に変わる“愛憎”感じた」

福岡、佐賀を舞台に、生き別れた3人の異母姉妹が、手を取り合って自らの力で居場所を切り開いていく姿を描く映画『緑のざわめき』。女優としても活動する新鋭・夏都愛未監督(『浜辺のゲーム』)が、大江健三郎や中上健次の文學にインスパイアされ、葉脈と血の繋がり、ファミリーツリー、性と聖の繋がりをテーマに脚本も手がけ、完全オリジナル作品として第18回大阪アジアン映画祭インディ・フォーラム部門へ正式出品された。そして今回、9月1日(金)公開に先駆け、松井玲奈(『よだかの片想い』『幕が下りたら会いましょう』)演じる異母姉・響子を執拗にストーキングする妹・菜穂子を演じた女優・モデルの岡崎紗絵(『mellow』)のオフィシャルインタビューが到着。本作への思いや意気込みを語った。

菜穂子役の岡崎紗絵

<あらすじ> 過去の痴漢被害のトラウマを抱えて生きてきた響子(松井)は、病気を機に女優を辞め、東京から生まれ故郷のある九州に移住しようと福岡に帰ってきた。そんなある日、響子と異母姉妹であることを隠しながら、妹にあたる菜穂子(岡崎)はストーカーように彼女の後をつけ回し、ふとしたことをきっかけに知り合いになる。

一方、幼い頃に施設に預けられ、8年前から佐賀県嬉野で叔母の芙美子(黒沢あすか/『冷たい熱帯魚』)と暮らす高校3年生の杏奈(倉島颯良/『21世紀の女の子』)。自分宛の手紙を勝手に読んだ叔母に不信感を募らせた彼女は、「まずは話してみませんか?」という支援センターの広告を見て、身元もわからない菜穂子からの電話に悩みを打ち明け始める。

バラバラだった3人の異母姉妹が徐々に繋がりを持ち始める中、地元・嬉野に戻り、親友の保奈美(松林うらら)に就職の相談をする響子は、ひょんなことから自分と杏奈が異母姉妹ということを知り、そこに宗太郎(草川直弥/「ONE N’ ONLY」のRAP&ダンサー)に恋焦がれる絵里(川添野愛)らいつもの女子会メンバーと一緒に菜穂子も旅行で嬉野にやって来る…。

女子会に草川直弥、参戦?!

●岡崎紗絵(菜穂子)オフィシャルインタビュー

ーーまず、松井玲奈さん演じる異母姉をストーキングする妹役と知った時、どう思いましたか?

岡崎:影のある役は演じたことがなかったので、初めての挑戦でした。台本や撮影を通して悩みつつでしたけど演じることができ、嬉しくてやりがいもあり光栄でした。

ーー異母姉をストーキングする心理は理解できましたか?

岡崎:初めは読んだだけでは難しいところがあったんですが、夏都監督とお話を重ねていくうちに段々と理解が深まりました。お姉さんへの憧れを超えて、「お姉さんみたいになりたかった」とか、「一緒に住んでいたらどうだった」とか、嫉妬みたいなものにも変わっていく、”愛と憎悪”に似たようなものを感じました。

異母姉・響子(松井玲奈)をストーキングする菜穂子(岡崎)

ーー菜穂子役を演じるにあたり、何を大事に演じましたか?

岡崎:心の揺れ動きが繊細だなと思ったので、そこの疑問は無くすために夏都監督と密にディスカッションながら演じました。

ーー夏都監督が、菜穂子についての資料を作ってくれたそうですが、助けになりましたか?

岡崎:凄く助けになりました。菜穂子はストーカーをしているけれど、友達も普通にいて、社会生活も普通にできている子なので、そこのバランスは悩んだところではありました。「ストーカー」という言葉だけだと、「陰で、自分の殻にこもって、人との関わりはない人」とも取れるのかなと個人的には思っていたのですが、夏都監督から頂いた資料を読んだらそういうこともなく、普通の女性として生活しているんだなと想像するきっかけになったので、ありがたかったです。

菜穂子(岡崎)の存在に衝撃を受ける響子(松井)

ーー菜穂子を演じてみて、何が一番難しかったですか?

岡崎:そこまでに至る心理だとかが当たり前に経験はなかったけれど、松井さん自身が知りたくなるようなミステリアスな部分、神秘的な部分がある方だったので、そういう対象として見るのは凄くやりやすかったです。「そう思うだろうな」と理解できたので。ストーカーをしてしまうのは、過去に深い出来事が色々があるからだと思ったので、夏都監督との話し合いの中で、母親との関係性のコンプレックス、家庭のことを考えつつやっていけば、理解するのは難しいけれど、演じることに関してはそこまで難しいところはなかったと思います。

ーー倉島颯良さん演じる異母妹・杏奈との関係性はいかがでしたか?

岡崎:杏奈と直接的に関わるのは最後のシーンだけだったんです。お姉さんに対する気持ちで動いていた菜穂子なので、ぽっと妹が現れると嫉妬の対象になってしまう…だから、お姉さんに対する思いよりも、杏奈ちゃんに対する気持ちの方が難しかったです。お姉ちゃんが杏奈ちゃんといい感じで関わっているのを見て嫉妬していたし、自分も杏奈ちゃんからしたらお姉さんだと思うとまた変わってきたりして、そこは難しかったです。ただ、颯良ちゃんは、(共演シーンが少なく)会っていないからこそ、作品と繋がるところがあって、「どんな子なんだろう」という気持ちを掻き立てられました。杏奈もそうですけれど、まっさらで、目がすごく綺麗で、優しくていい子でした。

異母妹・杏奈役の倉島颯良

ーー佐賀・福岡での撮影はいかがでしたか?

岡崎:自然が凄く豊かでした。ロケーションは綺麗な場所が多かったです。神秘的で画になる場所ばかりだなと思いました。特に海の前の鳥居だとか、木が生い茂っている場所は印象的でした。

ーー完成した映画を観ていかがでしたか?

岡崎:なんて心の動きに寄り添った繊細な作品なんだろうと思いました。それぞれの「肯定されたい」という気持ちを感じました。それぞれに生活があって、それぞれ理想だったり願いがあって、欠けた部分を持っている3人が、完璧じゃないし、それぞれ揺れている感じが、共感できる部分もあればそうでもない部分もあるけれど、人間っぽいなと思いました。

ダイナミックな自然も見どころ

ーー本作の見どころはどこだと思いますか?

岡崎:観た方々それぞれ思うことも違う作品だと思うんですけれど、3人姉妹が孤独感など色んなものを抱えていると思うんです。でも、辿ればみんな繋がっていて、その繋がりをすごく求めていて。3人が出会った時に出てくる反応は見どころだなと思います。2人だったらそうはならなかった…3人だからこそ、というところもあると思います。そういう心の動きに注目して観てもらいたいです。

ーー最後にこれから本作をご覧になる皆さんにメッセージをお願いします。

岡崎:私が行っていないロケ地もあって、完成した作品を観たら、ダイナミックで自然豊かな場所での撮影が多かったです。そういう自然のダイナミックさと、3姉妹が揺れ動く繊細さが、違ったように見てとれるのは、劇場での大画面ならではだと思います。そういう環境だとか場所の力を借りながら撮影したので、その空気感を一緒に感じていただければと思います。

岡崎紗絵/プロフィール 

1995年11月2日生まれ。愛知県出身。2015年より俳優として実績を重ね、代表作ではドラマ「教場Ⅱ」、「ナイトドクター」、「オールドルーキー」等、話題作に出演。「花嫁未満エスケープ」では主演を務めた。映画では、今泉力哉監督の恋愛群像劇『mellow』(20)でヒロイン役を好演。近年の出演作に『名も無い日』(21)『シノノメ色の週末』(21)がある。

<Staff&Cast> 出演:松井玲奈 岡崎紗絵 倉島颯良 草川直弥(ONE N’ ONLY) 川添野愛 松林うらら 林裕太 カトウシンスケ 黒沢あすか/監督・脚本:夏都愛未/プロデューサー:杉山晴香 、 江守徹/撮影:村松良/照明:加藤大輝/音楽:渡辺雄司/配給:S・D・P/製作:「緑のざわめき」製作委員会/2023年/日本/カラー/4:3/Stereo/115分 /文化庁「ARTS for the future!2」補助対象事業  公式サイト:https://midorinozawameki.com/

©Saga Saga Film Partners

映画『緑のざわめき』は9月1日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開

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