1961年、ロンドン・ナショナル・ギャラリーからゴヤの名画「ウェリントン公爵」が盗まれた。この前代未聞の大事件の犯人は、60歳のタクシー運転手ケンプトン・バントン。TVに社会との繋がりを求めていた時代、孤独な高齢者の生活を少しでも楽にしようと、盗んだ絵画の身代金で公共放送(BBC)の受信料を肩代わりしようと企てたのだ。しかし、事件にはもう一つの隠された真相が…。当時、イギリス中の人々を感動の渦に巻き込んだケンプトン・バントンの“優しい嘘”とは−!?
誰もが虜になるチャーミングな主人公に名優ジム・ブロードベント。そして長年連れ添った妻を演じるのはヘレン・ミレン。イギリスを代表するオスカー俳優の共演による、ユーモアあふれる軽妙な夫婦の会話劇も見どころのひとつ。監督は昨年9月、惜しまれながら逝去し、本作が長編遺作となった『ノッティングヒルの恋人』のロジャー・ミッシェル。名画で世界を救おうとした男が、人々に優しく寄り添う姿を描く、爽やかな感動作が誕生した。
今回解禁されたのは、本編映像とメイキング映像とともに、ブロードベントとミレン、ロジャー・ミッシェル監督、プロデューサーのニッキー・ベンサムが映画の魅力を語る特別映像。本作のストーリーについて、ミレンは「実話でなければ信じられない話よ」と述べ、ミッシェル監督は「権力に対して真実を突き付ける物語」とコメント。ブロードベントは「見事な脚本だよ。思わず引き込まれる」「これこそイギリス映画」と太鼓判を押している。 また、プロデューサーのベンサムは「事実を再現するのは、苦労や葛藤もあったけど、ユーモアと愛をこめたわ」と本作に込めた思いを語っている。さらに、事件のドタバタ騒動とケンプトンのチャーミングなキャラクターが伝わる本編映像が軽妙な音楽にあわせてテンポよく映し出され、期待感が高まる。ぜひ映画を観る前にチェックしておきたい。
『ゴヤの名画と優しい泥棒』は、2月25日(金)TOHOシネマズ シャンテほか全国公開
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