映画『マイスモールランド』(5/6公開)予告編/自分の居場所“アイデンティティ”に苦悩するクルド人少女の成長物語
是枝裕和監督率いるクリエイター集団「分福」が新たな才能を輩出
<Introduction>
クルド人の少女が “自分の居場所(アイデンティティ)”に葛藤し、成長していく姿を描く映画『マイスモールランド』。長期にわたる取材を経て書き上げた脚本を、自ら映画化したのは、是枝裕和監督が率い、西川美和監督が所属するクリエイター集団「分福」に在籍する新鋭・川和田恵真監督。是枝監督の『三度目の殺人』(17)で監督助手、西川監督の『すばらしき世界』(21)でメイキングを担当するなど、多くの現場で研鑽を積み、本作で満を持しての商業映画デビューとなった。
本作で描かれる「国家を持たない世界最大の民族」と呼ばれるクルド人の中には、住んでいた国の弾圧から逃れるために、難民申請をして諸外国に移住する人々も多い。日本の埼玉県にもクルド人のコミュニティが存在するが、難民認定された例はないに等く、非常に不安定な在留資格しか与えられていない。川和田監督が、2017 年に本作の企画を立ち上げ、クルド人の方々への取材を重ねていく間にも、出入国管理及び難民認定法(入管法)を巡る状況は悪化の一途をたどっているという。そんな状況の中、川和田監督は、イギリス人の父親と日本人の母親を持つ自身が成長過程で感じたアイデンティティへの想いを元に、本作で“日本の今”を見つめている。
主人公のサーリャ役を演じるのは、ViVi の専属モデルとして活躍し、本作で映画初出演にして初主演を果たした嵐莉菜。日本、ドイツ、イラン、イラク、ロシアのミックスという5ヵ国のマルチルーツを持ち、17 歳の現役高校生である彼女が、在日クルド人の高校生・サーリャが胸に抱くさまざまな複雑な感情を、デビュー作とは思えないほどの堂々とした演技で、みずみずしく体現した。サーリャが心を開く少年・聡太役には、『MOTHER マザー』(20)で新人賞を総ナメにし、本作の撮影時は聡太と同じく高校生だった奥平大兼。待望の映画2作目となる本作では、心を寄せる少女の境遇を知り、誠実に真っすぐ接する少年を等身大に表現。次世代の映画界を担うフレッシュな監督と俳優陣のタッグが実現した。
そのほか、平泉成、池脇千鶴、藤井隆、韓英恵、サヘル・ローズら実力派の名優たちが集まり、主題歌には、ポカリスエットや三菱地所の CM など CM ソングを手がける注目のバンド、ROTH BART BARON(ロットバルトバロン)が本作のために楽曲「N e w M o r n i n g」を書き下ろした。
<Story>
クルド人の家族とともに、生まれた地を離れ、幼い頃から日本で育った 17 歳の少女、サーリャ(嵐莉菜)。少し前までは同世代の日本人と変わらない、ごくふつうの高校生活を送っていた。だが、ある日、難民申請が不認定となり、家族の日常が一変する。埼玉に住むサーリャは、在留資格を失った今、バイトをして、大学に進学し、東京にいる友人と自由に会うことさえ許されない。日本に居たい、と彼女が望むことは“罪”なのだろうか――?
<Staff&Cast>
出演:嵐莉菜、奥平大兼、平泉成、藤井隆、池脇千鶴、アラシ・カーフィザデー リリ・カーフィザデー、リオン・カーフィザデー、韓英恵、サヘル・ローズほか / 監督・脚本:川和田恵真 / 主題歌:ROTH BART BARON 「N e w M o r n i n g」 / 企画:分福 / 制作プロダクション:AOI Pro. / 共同制作:NHK FILM-IN-EVOLUTION(日仏共同制作) / 助成:文化庁文化芸術振興費補助金(映画創造活動支援事業)独立行政法人日本芸術文化振興会 / 製作:「マイスモールランド」製作委員会 / 配給:バンダイナムコアーツ
日本劇場公開:2022年5月6日(金)より新宿ピカデリーほか全国公開
公式HP:mysmallland.jp
©︎2022「マイスモールランド」製作委員会