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AUG 22, 2022 イベント

第33回東京学生映画祭、実写長編映画『明ける夜に』観客賞&グランプリW受賞の快挙!瀬々敬久監督、勝因は「ラストシーンの描き方」

第33回東京学生映画祭の授賞式が8月21日(日)、渋谷・ユーロライブで開催され、『明ける夜に』が観客賞と実写長編部門グランプリをW受賞。ゲスト審査員を務めた瀬々敬久監督は、「この映画はラストの帰着点が明快に描けていた。巧みすぎる作品」と高く評価した。この日は、瀬々監督のほかに、映画監督、スクリプトドクターの三宅隆太、アニメーション監督の岩井澤健治がゲスト審査員として登壇。同じく審査を務めた細田守、杉野希妃は諸事情によりリモートのみで選考にあたった。

“宇宙でいちばん純粋。”をコンセプトに開催された同映画祭は、応募総数204作品の中から1次、2次、最終審査を勝ち抜いた12作品が部門ごとに賞を争った。実写長編部門グランプリに輝いた『明ける夜に』は、観客賞も受賞するという快挙を達成。メガホンをとった堀内友貴監督は、「実は去年、どの映画祭でも落選していた『また春が来やがって』を東京学生映画祭が見つけてくださって入選させていただいたんですが、そのおかげで今泉力哉監督やいろんな方と出会い、クラウドファンディングの目標金額も達成できて、『明ける夜に』が作れたと思っています。これからスタッフ、キャスト共々、さらにステップアップして、いつか恩返ししたい」と喜びを爆発させた。

堀内智貴監督

一方、審査を務めた瀬々監督は、「他の作品も素晴らしかったが、ラストが弱かった。その点、この映画はラストの帰着点が明快に描けていた。その上、モラトリアムという時間の中で、身近なところから出発して、スタッフィング、キャスティングの中で大きく和を広げながら共同制作していく“モチーフ”と“作り方”の合致は清々しかった」と評価。ただし、「難を言えば、うますぎる。誰かの新作だと言ってこのままテアトル新宿や新宿武蔵野館で上映しても普通に観られてしまう…それくらいの巧みさがあった。もっと独自性というか、堀内くんならではの映画を掴んでほしい」とさらなる飛躍に期待を込めた。

実写短編部門グランプリは『Episodic memory』に。監督を務めた鈴木理利子は、「作り手が思う映画、観客が思う映画、そして私個人が思っている映画、みんなバラバラだけれど、この作品は自分の中の集大成として作ったので、先程、三宅さんから『これは映画だな』と言ってもらえたのが嬉しかった」とコメント。これに対して三宅は、「自分で生きてきたある種の証でもあるし、それは嘘ではないけれど、実はそこにちょっと、観客をしっかり楽しませようという作意も明確にある。脚本も書いて、小説にもなっているのに、それがその場で一回限り起きたことのように見えているところが実に面白かった」と称賛した。

鈴木理利子監督

アニメーション部門グランプリは『サカナ島胃袋三腸目』が受賞。若林茜監督は、「ここからまたアニメーションを学び直し、ずっとずっと作り続けていきたいなと思って取り組んだ作品で賞をいただけたことはとっても嬉しいです」と感無量の様子。細田と共に審査にあたった岩井瀬は、「作品としては非の打ち所がなかったです。キャラクターも魅力的に描かれているし、物語の構成、音の演出も含め素晴らしかった。特に劇中の音楽は何か研究されているのか、『あれ?これはいつの時代の作品?』という錯覚に陥るようなクラシックな雰囲気を再現されていて見事でした」とその完成度の高さを絶賛した。

若林茜監督

そのほか、審査員特別賞には3つの作品が選ばれ、三宅&杉野賞に安本未玖監督の実写長編映画『カンパニュラの少女』(杉野からのコメント一部抜粋:監督独自の世界観に翻弄された。物語に余白があり、さまざまな想像を巡らせながら拝見した)、瀬々&杉野賞に劉波監督の実写長編映画『ただいま』(瀬々からのコメント一部抜粋:この作品が一番強く、心に残るショットだった。文章に書けない感情がみなぎっていた)、そして岩井澤賞にオダアマネ監督のアニメーション映画の『HA・NA・KU・SO』(岩井澤からのコメント一部抜粋:セリフの間の取り方、テンポ感、声優の演出が素晴らしく、観ていてクスクス笑えて楽しめた)がそれぞれ選出された。なお、協賛会社のNANLITE賞には鈴木智貴監督の実写長編映画『えんまさん』が受賞した。

上映会、トークイベントを含め8月20日・21日の2日間にわたって開催された映画祭も無事終了。学生ならではの手作り感と初々しさが会場に温かな雰囲気を醸し出し、見渡せば笑顔、笑顔、笑顔!最後は受賞者、ファイナリスト、ゲスト審査員、映画祭スタッフ全員で記念写真を撮り、幕を閉じた。

★はグランプリ/作品情報はこちらからhttps://tougakusai.jp/33rd/program/

【実写長編部門】

『カンパニュラの少女 』

『ただいま』

『えんまさん』

★『明ける夜に』

【実写短編部門】

『COMPASS』

『C地点旅行記』

『私はたぶん絶対にかわいい』

★『Episodic memory』

【アニメーション部門】

『HA・NA・KU・SO』

『蟹眼』

★『サカナ島胃袋三腸目』 

『川凪ぐ火葬場』

東京学生映画祭とは:「東学祭」の名で知られる、日本で最も長い歴史を持つ国内最大規模の学生映画祭。学生の製作した映像作品を全国から募集し、コンペティション形式でグランプリを決定している。また、学生ならではの自由な発想や感覚を大切にするため、多くの方々のご協力をいただきながら、学生のみで企画・運営を行っており、学生映画と映画界全体の振興に貢献し、映画を志す学生と映画界の架け橋になっていくことを目的としている。過去の出身者には『EUREKA』青山真治監督、『君に届け』熊澤尚人監督、『アヒルと鴨のコインロッカー』中村義洋監督、『君の膵臓を食べたい』月川翔監督、『ちはやふる』小泉徳宏監督、『溺れるナイフ』山戸結希監督をはじめ、現在の日本映画界の第一線で活躍する多くの才能を輩出してきた。

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