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DEC 14, 2024 イベント

【カンヌ監督週間 in Tokio】河合優実、『ナミビアの砂漠』撮了後すでにカンヌ受賞を直感!? 「どこか遠くへ羽ばたいていく予感がした」

左からジュリアン・レジ、山中瑶子監督、河合優実

都内・ヒューマントラストシネマ渋谷にて開催中の「カンヌ監督週間in Tokio 2024」に、14日(土)、カンヌ国際映画祭・監督週間部門で国際映画批評家連盟賞を受賞した『ナミビアの砂漠』が登場。上映後のトークイベントにメガホンを執った山中瑶子監督、主演を務めた俳優の河合優実、そしてカンヌ監督週間・アーティステックディレクターのジュリアン・レジが出席し、満員の客席を前にカンヌ国際映画祭での思い出や今だから話せる撮影秘話を語った。なお、前東京国際映画祭プログラミングディレクター、矢田部吉彦がMCを務めた。

「カンヌ監督週間in Tokio 2024」は、第77回カンヌ国際映画祭<監督週間>に選出された最前線の映画たちに出会う12日間(12月8日〔日〕〜12月19日〔木〕)。国際映画批評家連盟賞を女性監督として史上最年少(27歳)で受賞した山中監督渾身の一作『ナミビアの砂漠』は、タイプの違う交際相手を次々と変えながらも、乾いた心が潤うことはなくもがき苦しむ21歳の主人公・カナ(河合)の心情を生々しく捉えた青春ドラマ。今年、大ブレイクした河合優実との奇跡的なコラボレーションが、日本映画史に新たな輝きを放った。

●イベントレポート

本作を国際映画批評家連盟賞に選んだ理由についてジュリアンは、「日本に限らず、現代の都市に暮らす新しい若者たちの姿をよく捉えた作品。まるで彼らの肖像画のような映画でした。社会的な映画というよりも、いろんな問題を抱えながら正直に生きている主人公・カナと、2時間一緒に時を過ごすような、そんな体験をしたような気がします。この役を演じるのは、河合さんにとってかなりリスクはあったと思いますが、見事に演じ切りましたね」と手放しで絶賛。「作品を観た途端、好きになりました」と二人を称えた。

カンヌ映画祭でここまで評価されるとは予想もしていなかったという山中監督は、「相性とかもあるのかなと思いました。でも、映画祭に出品したあとジュリアンとリモートで話したのですが、『ケンカのシーンはもっと長くてもよかった』と言われたのには驚きました(笑)もっと思い切ってもよかったのかと学びがありました」と振り返る。

 一方、受賞の知らせを聞いて、思わずガッツポーズしたという河合は、「跳び上がるくらいの喜びだった」と笑顔を見せる。「映画祭めがけて作品を作るという作戦もあると思いますが、私たちはそこが出発点ではなかったので、正直『映画祭には出したいね』くらいの気持ちでした。ただ、撮影が終わった日、この映画に羽根が生えて、どこか遠いところへ羽ばたいていくようないい予感があったので、それが正夢になりましたね」と心情を明かした。

 もともと原作ものを実写映画化する企画が動いていたが、急遽、全てをゼロにして『ナミビアの砂漠』の製作に入ったという山中監督。ジュリアンからその質問を受けると、「このままでは、いい状態でいい映画は作れない、という判断をした時に、プロデューサーから、『河合さんもスタッフもスケジュールを空けて待っているので、オリジナル脚本で好き勝手にやってみたら?』と助言を受け、こんなチャンスはほとんどないと思ったので頑張りました」と経緯を告白。

ジュリアンから、「短期間でよく脚本ができましたね!アイデアはどのようにして生まれたのですか?」と質問されると、山中監督は、「オリジナルを作るのが3年ぶりだったので、その間に溜まった問題提起や意識などを“マインドマップ”にしてなんとなく方向性を決めていったのですが、結局、河合さんを起用してどんなキャラクターが観てみたいか、というところが一番大きかったと思います」と河合の存在がポイントだったことを強調。ちなみに、河合とカフェで談笑している際に「私、よく人の話を聞いていない時がある」と言っていたのを覚えていて、そこから連想して、冒頭のカフェのシーンが最初に浮かんだのだとか。

 山中監督と河合優実、夢のコラボレーションが奇跡を呼び起こした本作。もともとは、河合が俳優になる以前、山中監督の『あみこ』という作品を観て衝撃を受け、「あなたの作品に出演したい!」と直訴したのが縁だという。「カルチャーショックというか、音楽、画、セリフ…全てが観たことのない世界観で、その感性がビビッときた」という河合に、カナ役を演じることに迷いはなかったようだ。

「オファーを受ける前に、山中監督と身の回りのことだったり、現代に生きている私たちと共通する女の子のことだったり、人と人とのパワーバランスだったり、いろんなことを雑談の中で共有し合い、そのあとに本作の脚本を読ませていただいたので、カナ役にはわりと自然に、すんなりと入っていけました。セリフは100%脚本通りでしたが、体の動きで表現するところとか、自由度の高いシーンでは、自分なりにチャレンジしました」と述懐していた。

「カンヌ監督週間in Tokio 2024」は12月8日(日)〜19日(木) までヒューマントラストシネマ渋谷にて開催中

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