名優・光石研が 2011 年公開作『あぜ道のダンディ』から 12 年ぶりに映画単独主演を務めた『逃げきれた夢』(6月9日(金)公開)の主要キャストからコメントが届いた。本作は、光石演じる北九州の定時制高校教頭・末永周平(光石)が人生のターニングポイントに気付き、不安定な心を抱えながらもテキトーにこなしてきた「これまで」に区切りをつけ、「これから」 のために新たな一歩を進もうとする姿をリアルに映し出すヒューマンドラマ。『魅力の人間』(12)で第34回ぴあフィルムフェスティバルで準グランプリを受賞し、以降、『枝葉のこと』(17)『お嬢ちゃん』(19)などの作品で、国内のみならず世界の映画祭で評価を高めた新鋭・二ノ宮隆太郎がメガホンをとる。
●主要キャストからのコメント
光石研/末永周平役
自分自身の故郷で、ほぼ等身大の自分自身を演じる。ここまでボーダレスな役は初めてだったので、不安と戸惑いを持って、やっていました。 ただ、二ノ宮監督を初めスタッフの皆さんが、僕ら世代が抱える諸々の憂いを、しっかりリサーチし、ビジョンを持って導いて頂いたので、信じてついて行きました。 可笑しくも哀しい老年期に差し掛かった男を、失笑してやってください。
吉本実憂/主人公の元教え子・平賀南役
脚本を読ませて頂いて、決して何か大きなハプニングがあるわけではなく 誰しもが通るであろう日常の感情なのですが最後には涙が出ていました。 些細なことでも”今”が点で繋がりあって線になって1人の人生を作り上げているということを 私はこの作品を通して学びました。 ”今”という瞬間の大切さを感じられる作品なのではないかなと思います。
工藤遥/主人公の娘・末永由真役
二ノ宮監督の真っ直ぐな曇りのない目に「誤魔化せないな」と震え、光石さんの凄まじい包容力に身を委ね、貴重な時間を北九州市で過ごさせて頂きました。 台本を読んだ後、演じている時、完成した映画を見た後、置かれている状況によってここまで受け取り方が変わるのかと、落ち着かなかった記憶があります。沢山の方に届きますように。
坂井真紀/主人公の妻・末永彰子役
脚本を読ませていただいた時、行間から人生の吐息が聞こえてくるようだと感じました。その吐息は、光石さん演じる周平が背負う哀愁となって、その哀愁は、様々な形に映り、私たちが分かち合えるものであると思いました。分かち合えることは、そっと、私たちの背中を押してくれることと、思っています。北九州の空気を纏い佇む光石さん、最高です。
松重豊/主人公の親友・石田啓司役
小倉の撮影現場の控え室の隣にカフェがあり、 空き時間にふたりで行ったらチーズケーキが非常に美味かったんです。 それを全女性スタッフに持ち帰って振る舞う光石さん。 その控え室の向かいが古着屋で、 覗くと店主が光石研コーデを準備して待っていたんです。 さんざん試着して何も買わずに店をあとにする光石さん。 そんな光石さんのすべてが詰まった映画ですよ、きっと。
<Staff&Cast> 監督・脚本:二ノ宮隆太郎/出演:光石研、吉本実憂、工藤遥、杏花、岡本麗、光石禎弘、坂井真紀、松重豊/製作総指揮:木下直哉/プロデューサー:國實瑞惠、関友彦、鈴木徳至、谷川由希子/撮影:四宮秀俊/照明:高井大樹/録音:古谷正志/美術:福島奈央花/装飾:遠藤善人/衣装:宮本まさ江/ヘアメイク:吉村英里/編集:長瀬万里/音楽:曽我部恵一/助監督:平波亘/制作担当:飯塚香織/企画:鈍牛倶楽部/製作:木下グループ/配給:キノフィルムズ/制作プロダクション:コギトワークス/映倫G DCP/カラー/スタンダード/モノラル/96分 公式サイト:https://nigekiretayume.jp