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JAN 25, 2025 インタビュー

菅井友香、長編劇映画デビュー作『怪獣ヤロウ!』で俳優開眼!「自分の殻をどんどん破っていきたい」

長編劇映画デビューを果たした菅井友香

元欅坂46(櫻坂46)初代キャプテン、現在はテレビ東京系ドラマ「チェイサーゲーム W」シリーズでダブル主演を務めるなど俳優としても活躍中の菅井友香が、1月31日全国公開(岐阜県先行公開中)の映画『怪獣ヤロウ!』でついに長編劇映画デビューを果たした。

主演を務めるのは、YouTube「バキ童チャンネル」でも大人気のお笑い芸人・ぐんぴぃ(春とヒコーキ)。菅井は、ご当地“怪獣”映画の監督に抜擢されたぐんぴぃ演じる主人公と、清水ミチコ演じる“怪物”市長の狭間で右往左往するちょっぴりドジな秘書課職員を熱演している。「とても思い入れの深い作品になった」と語る菅井に、現場での思い出や共演者とのエピソード、さらには自身が演じたキャラクターとの共通点などを聞いた。

<Story> 岐阜県関市役所の観光課に務める山田一郎(ぐんぴぃ)は、ある日、市長(清水)から市を盛り上げるための“ご当地映画”の製作を命じられる。だが、どこにでもある平凡なご当地映画に疑問を持った山田は、かねてからの夢だった“怪獣映画”の要素を盛り込むことを思いつく。観光課の仲間たち(手塚とおる、三戸なつめ)や恩師(田中要次)、引退した怪獣映画の巨匠ら(麿赤兒)を巻き込みながら撮影は順調に進んでいるかに見えたが、市長がプロデューサーとして現場に派遣した秘書課の吉田(菅井)の不手際で大事件が勃発する。果たして映画は無事完成するのか?

怪獣映画監督を演じるぐんぴぃ(春とヒコーキ) 

●斬新な企画にエネルギーを感じた

―長編劇映画デビューということで、映画界に最初の一歩を踏み出した今のお気持ちをお聞かせください。

菅井:今回、初の劇映画であると同時に、事務所を移籍してから初めての作品でもあるので、自分の中でも「新たな第一歩」を踏み出したという感覚が強いです。とても思い入れの深い作品になりました。

――ご当地映画で怪獣ものという少し変わった企画ですが、最初に内容をお聞きになった時の印象を教えていただけますか?

菅井:私も台本を読んで、その斬新さに驚いたと同時に、作品づくりに懸けるエネルギーを感じたので、ぜひチャレンジしたいと思いました。

――普段、怪獣映画とかは結構ご覧になったりしていたんです?

菅井:詳しくはないんですが、『シン・ゴジラ』を観て感動したので、とてもワクワクしながら現場に入りました。八木監督がすごくお好きでいらっしゃって、怪獣映画ファンも唸るようなこだわりのセットが組まれていたので、それに触れた時は、身の引き締まる思いというか、いろんな感情が湧き起りました。 

――作品の中で、怪獣映画を作る「過程」を描きながら関市をPRするとい構造も奇抜で面白いですね。

菅井:おっしゃるように、怪獣映画の中に関市の魅力がたくさん詰まっていて、地元の方にもたくさん出演していただき、とても見応えのある作品になったと思います。初めて関市に行かせていただいたんですが、 2週間ぐらい滞在してその魅力にたくさん触れることができて、帰るのが寂しくなってしまうくらい大好きになりました。

――滞在期間中、観光地を巡ったり、町を散策したり、撮影外で思い出に残っていることはありますか?

菅井:撮休日に関市内でうなぎや味噌煮込みうどんをいただいたり、少し足を延ばして淡水魚専門の水族館(『世界淡水魚園水族館 アクア・トト ぎふ』)に行ったりしました。特に水族館はすごく広くて見応えがありました。閉園ギリギリまでいたので、最後は私の後ろに警備員の方が一緒について回るという状態になったんですが(笑)…とにかく時間が足りないくらい楽しかったのを覚えています。

●着ぐるみ体験が夢だった?!

――清水ミチコさん演じる剛腕市長の指令を受けて映画プロデューサーに抜擢された秘書課職員の吉田麻衣という菅井さんの役について。ある意味、怪獣映画を作るきっかけになった重要な人物ですが、この役をどのように捉え、アプローチしようと考えましたか?

菅井:もともと吉田は、市長に従って生きることが自分の正義だと思って、それを貫いてきたような人物だと思うんです。ところが、ぐんぴぃさん演じる山田の悪戦苦闘する姿を見て、自分が本当にやりたかったこととか、本来の自分の生き方に気づいていく過程がとても印象的だったので、序盤の堅い市長秘書から山田とその仲間たちとの出会いを通して成長していく姿を徐々に変化をつけながら表現できたらなと思って演じました。今まで経験したことのないキャラクターだったので、自分の中ではやりがいのあるチャレンジになったと思います。

プロデューサーに抜擢された秘書課の吉田を好演 

――それにしても菅井さん、弾けてましたね(笑)

菅井:吉田は市役所で働いていますが、本当はちょっぴり俳優にも憧れの気持ちがあったのかな?と感じたので、その思いが山田と出会って爆発すると言いますか、弾けてしまう姿を思い切り出せたらいいなと。八木監督からも、「どんどんトライしてみよう!」と背中を押され、今までの殻を破っていただいたような感覚がありました。

――特に大変だったシーン、緊張したシーンなどありましたら教えてください。

菅井:大変というか印象的だったのは、やはり劇中に制作された怪獣映画のシーンですね。ひょんなことから私も怪獣になるんですが(笑)、隙間から見える景色がすごく面白かったし、いろんな動きを試してみるのも楽しかったです。着ぐるみをまとうとオープンな気持ちになるというか…自分じゃない何かに変身するのが夢だったので、それが叶って嬉しかったです。

――主人公の山田を演じたぐんぴぃさんの印象を教えていただきたいのですが、ファーストコンタクトはどんな感じでしたか?

菅井:衣装合わせの時に(「春とヒコーキ」でお笑いコンビを組んでいる)土岡(哲朗)さんと一緒にいらっしゃって、その時に初めてお会いしたんですが、 思ったよりもシュッとされていて(笑)。インパクトはあったのですが、もっと大きい方だと想像していたので、思ったよりスマートで驚きました。欅坂46(現・櫻坂46)のことを好きでいてくださっているということをお聞きして、さらに親近感が湧きました。

――ちなみに、芸人としてのぐんぴぃさんはご存知だったのでしょうか? 

菅井:もちろんです。YouTubeとかも観させていただいて、すごく面白くて、たくさん愛されている方だなと思っていたんですが、実際にお会いしてみると、とても聡明で、八木監督と真剣に作品づくりに取り組んでいる真面目な姿がとても印象的でした。あとは、ごはんをたくさん食べる方だなぁと(笑)。みんなで食事に行った時とか、白米がちょっとでも残っていると、みんなの分を食べてくださって。そういう食いしん坊なぐんぴぃさんの姿も大好きで、見ていて幸せな気持ちになりました。

●アイドル時代は板挟みもあった

――先程もちょっとお話が出ましたが、この物語は吉田の“ミス”がきっかけで大きく動いていくところがありますが、菅井さんご自身、どうしようもない大失敗をしてしまった時、どのように乗り越えていますか?

菅井:私も吉田と同じようなミスを犯してしまったことがあって…実は大学の卒業論文のデータを提出直前に全て消してしまったんです。その時はもう人生終わったくらいの気持ちになり、ソファーで大泣きしていたんですが、母が「何を泣いているの、諦めてはダメ!」と必死にパソコンと向き合ってくれたんです。するとしばらくして、画面が立ち上がり、少しずつデータが戻ってきて、最終的に全データが復活したので無事卒業することができました。いまだになぜ直ったのかは不明ですが、「諦めなければ奇跡は起こる」ということを母から教わったので、それからは何が起きても、慌てず、投げ出さず、解決策が見つかるまでチャレンジし続けることを大事にしたいと思うようになりました。

――まさに今回、その苦い経験を思い出すような役柄でしたね。

菅井:確かに。この役をいただいた時に何か運命的なものを感じました。

――もう一つ、吉田は市長と観光課のみんなと板挟みになるわけですが、菅井さんご自身は、同じように苦しんだご経験はありますか?

菅井:やはりアイドル時代(欅坂46および櫻坂46)、キャプテンとしてグループをまとめる時に難しさを感じましたね。いわゆる世の中では「中間管理職」と言われるような役割で、メンバーとスタッフさんの両方の気持ちがすごくわかるので、うまくいってる時はいいんですが、行き詰ってしまった時とかは、どう伝えたらいいのか考え込むことが多かったです。

――菅井さんは、その局面をどう乗り越えてきたのですか?

菅井:最初はあまり言えなかったんですが、スタッフさんから、「自分の中で溜め込まず、慌てなくていいから、理解してくれるメンバーを徐々に増やしていけばいいのでは?」というアドバイスをいただき、それからすごく気持ちも軽くなって、時には自分の弱みを見せつつ、経験と年齢を重ねながら少しずつ変わっていけたかなと思います。

――最後に、本作のおすすめポイントと、映画にちなんで菅井さんが実現したい夢などお聞かせいただければと思います。

菅井:映画の世界にスーッと入っていけるし、 楽しい気持ちになったり、ウルっときたり、すごく盛りだくさんな作品だと思います。ちょっと悲しいことがあった時や、何か一歩踏み出したい時にこの映画を観ると、力強く背中を押してくれます。私自身、自分の殻を破って、これから俳優としていろんなことを「ぶっ壊していきたい!」と思っていたので、この作品を機にどんどん新しいことにチャレンジしていきたいと思います。皆さんもぜひ劇場でご覧になってパワーをたくさんもらってください! 

(取材・文:坂田正樹 写真:松林満美)

<Staff & Cast> 出演:ぐんぴぃ、菅井友香、手塚とおる、三戸なつめ、平山浩行、田中要次、麿赤兒、清水ミチコ/監督・脚本:八木順一朗/製作総指揮:太田光代/製作:小野寺嗣夫、中村優子、髙澤吉紀、福浦与一、松岡雄浩、磯野史訓、三上政高、飯田義典、渡辺章仁、和田絵美子/プロデューサー:和田有啓、佐藤雅彦/共同プロデューサー:田代蔦/音楽:ゲイリー芦屋/特技監修:中川和博/脚本協力:山崎太基/撮影:柴田晃宏/照明:高木伶 録音/整音:渡辺丈彦/美術:田中真也/特撮/小道具:武富洸斗/装飾:Frank Okay/衣装:谷村未来/ヘアメイクマネジメント:塚原ひろの/ヘアメイク:柿原由佳/編集:瀧田隆一/音響効果:廣中桃李/VFXスーパーバイザー:太田貴寛 VFXプロデューサー:巻田勇輔/カラーグレーディング:根本恒/キャスティング:伊藤尚哉/助監督:安川徳寛/制作担当:長島紗知/特別協賛:貝印株式会社、株式会社ビクトリー、辻屋、株式会社フクタハウス、株式会社オザキ、株式会社大野ナイフ製作所、長村金属株式会社、片桐工業株式会社、株式会社 KIKU KNIVES、協同印刷株式会社、協同組合岐阜関刃物会館、鈴木刃物工業、関牛乳株式会社、関信用金庫、青協建設、東海理研株式会社、株式会社マーゴグループ、有限会社三輪塗装、ローラーストーン/補助:岐阜県関市/関市映像作品撮影事業/制作プロダクション:エピスコープ/制作協力:東海制作/製作:チーム「怪獣ヤロウ!」 /製作幹事:ファニーパンドラ、Atemo /配給:彩プロ 宣伝:murmur /企画・制作:ファニーパンドラ
2024 年/日本/カラー/アメリカンビスタ/5.1ch/80分 公式サイト:kaijuyaro.com

©チーム「怪獣ヤロウ!」

映画『怪獣ヤロウ!』は1 ⽉ 24 ⽇(⾦)より岐⾩先⾏上映中、1⽉31 ⽇(⾦)より全国公開




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