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AUG 20, 2022 インタビュー

仲間の死を乗り越え再生していく男の姿を描く映画『でくの空』(8/26公開)で主演を務めた人気落語家・林家たい平が同作への思い語る

映画『でくの空』林家たい平

従業員の事故死を償うために店をたたみ、代行屋で働き始めた男の心の再生を真摯に描く映画『でくの空』が8月26日(金)より劇場公開される。主演を務めるのは、『笑点』の大喜利メンバーで、ロケ地のひとつである秩父市の観光大使でもある落語家の林家たい平。家族や街の人たちに支えられ、部下の死を乗り越えていく主人公・周介の生きざまを真摯に表現している。

今回、劇場公開に先駆け、いつもの明るい笑顔を封印し、一人の俳優として難役に挑んだたい平が、本作への思い、撮影の舞台裏を熱く語ったオフィシャルインタビューをお届けする。

映画『でくの空』

あらすじ:電気工事店を営んでいた周介(たい平)は、長年コンビを組んでいた従業員の工事中の事故死によって店をたたみ、父・啓吉(ぺー)の元に身を寄せる。事故の真相を秘めたまま、死んだ従業員の母・冴月(結城)の世話を焼くが、彼女は頑として打ち解けない。失業し、姉の活美(熊谷真実)が営むよろず代行屋に拾われたことから、周介は便利な世の中の隙間に涌くさまざまな困りごとの中に投げ込まれる。心の痛手に苦しみ、助けを必要とする人々に活を入れられながら、次第に周介は立ち直りの萌しを見せはじめる。

<林家たい平インタビュー>

ーー本作は、事故死のつぐないで店をたたみ、代行屋で働き始めた男の、心の再生の物語ですが、脚本を読んでどう思われましたか?

林家たい平(以下、たい平):誰でもその主人公と同じような立場になりうると思いました。特に、震災などで「あの時ああやっていれば」だとか同じような想いをたくさんの方がお持ちだと思うんです。なので、映画の中の話ではなくて、本当に身近に起こりうることが題材になっていると思いました。自分でもそうなったらどうなるんだろうということも考えながら本作に取り組みました。

映画『でくの空』

ーー本作のように笑顔を封印した役は普段のたい平さんの印象とはかけ離れているので演じるのが難しかったのではないかと思いますが、演じていかがでしたか?

たい平:島監督は、いつもの僕ではないところを見てくださっていて、何かを感じて声をかけていただいていると思うので、監督を信じて演じました。もう一人の自分は、意外と普段しゃべらないで1日いても平気なくらいなんです。人付き合いも良さそうに見えるんですけれど、意外に人見知りだったりして、そういうところを監督に見抜かれていたのではないかと思います。

ーー昔からご存知の林家ぺーさんがお父さん役というのはいかがでしたか?

たい平:びっくりしました。島監督から、「お父さんはペーさんにやってもらう」と聞いた時に、「大丈夫かな」というのが第一印象でした。セリフがたくさんありますし、そういうシリアスな芝居をしているところを見たことがなかったので、最初は「えっ僕のお父さん?」と思っていたのですが、役にどんどんどんどん入っていき、終わってから、朴訥としたお父さんはペー師匠じゃなかったら描けなかったのではないかという気がします。素朴なところがすごくいいんですよね。変に「いいお芝居をしよう」としていなくて、「たい平のお父さんになりきろう」という感じがすごくよかったです。

映画『でくの空』

ーー趣味で歌と俳句をやっているという設定でしたが、撮影時の裏話はありますか?

たい平:僕自身、歌と俳句をやっているんですが、披露する歌が結構難しい歌で、何十回歌ったかわかりませんけれど、監督が「もう今のでオッケー」とおっしゃっても、自分で納得がいかなくて、何回も何回も撮り直させていただきました。

ーー車の中のシーンでは辛い心境が伝わってきましたが、セリフがないシーンで心がけたことはありますか?

たい平: “今どういう顔をしているか”だとか、あまり形にこだらないということです。修行中、落語家の大先輩に、「鏡を見ながら落語をやるな」と言われたんです。それは、顔を作ってしまうから。「心を作れば、それが表情に表れるから」と落語の時に言われていまして、それが今回の参考になりました。きっとそこに顔の表情として表れているはずだと自分を信じて演じることが大切だと思って演じました。

ーーたい平さんの故郷・秩父や寄居で撮影が行われましたが、印象に残っているロケ地はありますか?

たい平:美の山というところに息子と登るシーンで、秩父の夜景を望んだんですけれど、小学校以来、美の山に登りました。遠足で行ったので、昼間には行ったことがありましたけど、夜景があんなに美しいとは知りませんでした。故郷の夜景を見たのは何十年ぶりだったので、ジーンときました。 また、みかん狩りでは行ったことのある風布という場所があるんですが、日本水(やまとみず)が湧き出ているところに行く途中が、桃源郷のようなところで、こんな身近にこんな夢のような里山があるのかと感激しました。

ーー完成した作品を観ていかがでしたか?

たい平:いつも島監督は「地産地消の映画を撮りたい。地元の方でも地元の良さに気がつかないから、良さを皆さんに気付いてほしい」と言って映画を撮られているんですが、今回はそれ以上に、日本全国の人、世界中の人に観てもらいたいと思っています。何か凄い事件やアクションシーンがあるわけではないんですけれど、市井の人間が普通に暮らしている中で直面することを周りの人たちの力を借りて乗り越え、もう一度立ち上がっていく。たくさんの人に観ていただいて、この映画を機に、もう一歩前に進もうと思ってくださる方が一人でもいたらいいなと思います。

ーー本作の見どころはどこだと思いますか?

日常の中に幸せがある、一人で生きているようで一人で生きているわけではない、ということを自分も演じながら感じましたし、そこを感じ取っていただければと思います。 ・ 読者にメッセージをお願いします。 当たり前の日常の中に感動や挫折や苦悩やいろんなものが詰まっていて、それに向き合いながら生きていくのが人生だし、それがなかったら人生楽しくないし、生きていくってとても楽しい幸せなことなんだなというのを感じていただければと思います。

日本劇場公開:2022年8月26日(金)よりアップリンク吉祥寺ほか全国順次公開

公式サイト:dekunosora.jimdofree.com  

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