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AUG 10, 2025 インタビュー

第97回アカデミー賞国際長編映画賞受賞!『アイム・スティル・ヒア』監督が語る日本映画への憧れ

第97回アカデミー賞国際長編映画賞(ブラジル映画初)を獲得したほか、主演女優賞、作品賞にノミネート。そのほか第81回ヴェネツィア国際映画祭映画祭最優秀脚本賞受賞、第82回ゴールデングローブ賞主演女優賞受賞など世界の映画賞を席巻。バックヤード・コム編集部も激推しする『セントラル・ステーション』『モーターサイクル・ダイアリーズ』の名匠ウォルター・サレス監督が手がけた最新作『アイム・スティル・ヒア』が8月8日(金)ついに公開された。早くも絶賛の声が続々と届く中、サレス監督の日本映画愛に満ちたインタビュー映像と、人間の冷酷さを浮き彫りにする<本編映像>が解禁された。

家族の幸せな時間が奪われていく…

<Story> 1970年代、軍事独裁政権が支配するブラジル。元国会議員ルーベンス・パイヴァとその妻エウニセ(フェルナンダ・トーレス)は、5人の子どもたちと共にリオデジャネイロで穏やかな暮らしを送っていた。だが、スイス大使誘拐事件を境に政情は一変し、抑圧の波が市民を覆ってゆく。ある日、ルーベンスは軍に連行され、そのまま消息を絶つ。突然、夫を奪われたエウニセは、必死にその行方を追い続けるが、やがて彼女自身も軍に拘束され、過酷な尋問を受けることとなる。数日後に釈放されたものの、夫の消息は一切知らされなかった。沈黙と闘志のはざまで、それでもなお、彼女は夫の名を呼び続けた。自由を奪われ、絶望の淵に立たされながらも、エウニセの声はやがて、時代を揺るがす静かな力へと変わっていく。

サレス監督は、インタビューの中で、「小津安二郎、溝口健二、小林正樹の時代から、是枝監督の時代まで日本映画に強い憧れを抱いています」と、日本への敬意を語り、「私にとって意義深い」と公開の喜びを表現。「これは始まりの物語であり、喜びの物語」と語りながら、「突然もたらされた喪失をどう乗り越えるのか、そしてどのように生き続け抵抗し、どのように受け入れて共に生きていくのか」と本作を力説。「私にとってこれは人生そのものについての映画です」と想いを寄せている。

続く本編映像では、夫救出の手がかりを握る友人に、軍施設での目撃証言を懇願するエウニセの姿が映し出される。友人はエウニセの必死の訴えにも「悪いけどこの問題には関われない」と冷たく拒絶。「力を貸して。逮捕を証明しないと夫の命が危ないの」と詰め寄るも、「それはみんな同じよ」と一蹴する。信頼や友情よりも恐怖が勝り、助けを求める声さえ届かない。そんな孤立無援の苦しさと、人間の冷酷さを浮き彫りにするシーンとなっている。

<Staff & Cast> 監督:ウォルター・サレス/脚本:ムリロ・ハウザー、エイトール・ロレガ/出演:フェルナンダ・トーレス、セルトン・メロ、フェルナンダ・モンテネグロ/音楽:ウォーレン・エリス/撮影:アドリアン・テイジド/2024年/ブラジル、フランス/ポルトガル語/|137分/カラー/ビスタ//5.1ch/原題:AINDA ESTOU AQUI/英題:I’M STILL HERE/字幕翻訳:原田りえ/レイティング:PG12/提供:クロックワークス、プルーク/配給:クロックワークス/公式サイト : https://klockworx.com/movies/imstillhere/

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映画『アイム・スティル・ヒア』8月8日(金)新宿武蔵野館ほか全国公開中

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