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DEC 19, 2025 おすすめ劇場公開作

「呪われた映画」から「20世紀最高の恋愛映画」へ…鬼才レオス・カラックス監督作『ポンヌフの恋人』が4Kレストア版で公開!!

度重なる撮影の中断、それに伴い膨れ上がる製作費…フランス映画史上最大のオープンセットを組みながら、「負」の伝説を次々と生み出し、公開前には「呪われた映画」とマスコミに揶揄された『ポンヌフの恋人』。蓋を開けてみれば、パリで26万人動員の大ヒット、日本でもシネマライズ渋谷で27週の大ロングランを記録し、20世紀恋愛映画の最高峰として、鬼才レオス・カラックスの最高傑作として、一大旋風を巻き起こした。

ドニ・ラヴァンとジュリエット・ビノシュ

ホームレスとなった男女の孤独と恋心を、1カット1カット、叩きつけるように活写する強烈なインパクト…絵画に喩えるなら、美しい風景画ではなくエゴン・シーレの歪んだ人物像、ジャクソン・ポロックの抽象絵画のような非凡なスタイルで描かれた「激情」が、スクリーンの中で燃えさかる。今回、撮影監督キャロリーヌ・シャンプティエの監修によって、唯一無二のカラックス・ワールドを4K映像によってより鮮烈に修復され、34年の時を経て、2025年12月20日より劇場公開されることになった。

なお、ポスタービジュアルは、『ミッドサマー』や『パターソン』など多様な映画のポスターを手がけるグラフィックデザイナー大島依提亜が新たにデザイン。さらに4Kでさらに輝きを増した予告映像、シーン写真8点を紹介する。

<Story> 天涯孤独で不眠症の大道芸人アレックス(ドニ・ラヴァン)と、失恋の痛手と眼の奇病による失明の危機で家出した画学生ミシェル(ジュリエット・ビノシュ)。ホームレスとなった二人は、パリの最も古い橋ポンヌフで出会う。愛を告白できないアレックス、過去の初恋に生きるミシェル。失意と闇から始まった二人の感情は、息もつかせぬスビードで疾走する。

<Episode> 1991年全仏公開されると「フランス映画史に新たな傑作誕生!」と大きな反響を呼びパリだけで26万人という大ヒットを記録した『ポンヌフの恋人』。だが、その製作は簡単なものではなかった。パリ市からポンヌフ橋を借り切って撮影に入る直前、主演のドニ・ラヴァンの思わぬケガで撮影中止に。再度の許可は下りず、夜間シーン用だったモンプリエ郊外ランサルグのセットをフランス映画史上最大のオープンセットにしてポンヌフ橋を再現。だが、底なしの資材と長期の人件費で2つのプロダクションが破産、製作は中断し強風でセットも倒壊、製作費は膨らみ続け、混迷を深める状況をマスコミがスキャンダラスに書き立て、「呪われた映画」とまで呼ばれた。

映画の3分の2を占める夜間シーンはセットで撮影し、昼間の場面に限って実物の橋でロケーションを行うことになった。ポンヌフのセットは実物の5分の4の大きさ(実寸は長さ 232 m、幅 22 m)で、モンプリエ郊外ランサルグという小さな村に、セーヌ川、街路樹、サマリテーヌ百貨店を含む
建築群を作る計画が進められた。

先行きが危ぶまれる中、カラックス監督は、『ポンヌフの恋人』が完成させるに値する映画だと証明するため、スティーブン・スピルバーグやフィリップ・ガレルら映画監督や文化人を試写室に呼び、未編集のフィルムを上映。スピルバーグは「この映画には激しさや美しさ、想像力があふれている!」と称賛した。最終的に大物プロデューサー、クリスチャン・フェシュネール氏が製作を引き受け、日本からもカラックスの友人・堀越謙三氏(ユーロスペース代表/2025年逝去)も出資し、映画は完成した。ちなみに製作費はセットだけで6億弱、合計で30億円を超えていた。

レオス・カラックス監督とジャン=イヴ・エスコフィエ(撮影)

<Staff & Cast>  監督・脚本:レオス・カラックス/撮影:ジャン=イヴ・エスコフィエ/出演:ジュリエット・ビノシュ、ドニ・ラヴァン /1991年/フランス映画/カラー/125分/DCP/配給:ユーロスペース/公式サイト:http://carax4k.com

レオス・カラックス監督作『ポンヌフの恋人』4Kレストア版で12月20日(土)よりユーロスペースにて公開!

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