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MAY 17, 2024 インタビューおすすめ

黒沢清監督、Vシネ時代の快作『蛇の道』を柴咲コウ主演でセルフリメイク!「最高傑作ができたかもしれない」

『岸辺の旅』(15)で第 68 回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門監督賞に輝き、『スパイの妻 劇場版』(20)では第77 回ヴェネツィア国際映画祭銀獅子賞を受賞、さらには『Chime』(24)のワールド・プレミアを第 74 回ベルリン国際映画祭で行うなど、世界三大映画祭を中心に国際的な評価を次々と獲得し、世界中の映画ファンから熱い視線を浴び続ける黒沢清監督。最新作『蛇の道』は、今や巨匠となった彼がVシネマ全盛時代に制作した同タイトル作を、フランスを舞台にセルフリメイクしたリベンジ・サスペンス。自ら「最高傑作ができたかもしれない」と公言するほど自信に満ちた黒沢監督が、本プロジェクトの立ち上げから、主演に抜擢した柴咲コウの魅力、さらには貴重な撮影エピソードを交えながらインタビューに答えた。

黒沢清監督

<Story> 愛娘を何者かに殺されたアルベール・バシュレは、パリで働く日本人の心療内科医・新島小夜子の協力を得ながら犯人探しに没頭、復讐心を募らせていく。だが、事件に絡む元財団の関係者たちを拉致監禁し、彼らから重要な情報を手に入れたアルベールの前に、やがて思いもよらぬ恐ろしい真実が立ち上がってくる。アルベールの娘は、誰に、なぜ殺されたのか。事件の思いがけない首謀者とは?国境を越えた<徹底的復讐>の先に待ちうける真実とは──

<Introduction> アルベールの復讐に協力する小夜子に扮したのは、柴咲コウ。NHK 大河ドラマ「おんな城主 直虎」(17)でタイトルロールを演じ、『君たちはどう生きるか』『ミステリと言う勿れ』(23)などの話題作への出演でも知られる彼女が、フランス語の厳しいレッスンに臨み、現地で実際に生活をしながら、パリで暮らす謎多きヒロインを完璧に自分のものにしている。復讐に燃えるアルベールを演じたのは、『レ・ミゼラブル』(19)でセザール賞主演男優賞にノミネートされた注目のフランス人俳優ダミアン・ボナール

黒沢監督の演出を受ける柴咲コウ

また、『ドライブ・マイ・カー』(21)、『首』(23)で世界的に注目を集め、黒沢監督とは 5 度目のタッグとなる西島秀俊が心を病んだ小夜子の患者・吉村役で、『ゴジラ-1.0』(23)、本年 24 年公開の『犯罪都市 NO WAY OUT』など国境を超えた話題作への出演で勢いに乗る青木崇高が小夜子の夫・宗一郎役で出演。さらに、『ダゲレオタイプの女』(16)に続く黒沢監督作品への出演となるマチュー・アマルリック、『ネネットとボニ』(96)などのグレゴワール・コランらフランスの名優が拉致される財団の幹部に扮し、脇を固める。

●黒沢清監督インタビュー

<Interview> フランスのプロダクションからリメイクのオファーがあった際に、真っ先に浮かんだのが『蛇の道』だったと、リメイクのきっかけを明かす黒沢監督。徹底的に復讐していくという、いつの時代でも国境を超えて通用する力強いストーリーを、V シネマだけで埋もれさすのはもったいない、とリメイクに踏み切ったという。フランスを舞台に、主人公を男性から女性へと大きく改変した部分について「最初の時点で主人公を日本人女性にしたいという思いがありました。彼女ひとりを女性にすることで、彼女がすべてをコントロールしているという部分がより出ているのかなという気がしました」とこだわりを明かす。

復讐に協力する心療内科医の小夜子を演じた柴咲について話が及ぶと、「なんといっても目つきが良い。あの目つきで見つめられると、男はなんか・・・あらぬ方向に誘導されてしまいそう」と印象を語り、それだけでなく、その身体能力にも驚いたそう。事件に絡む関係者を拉致監禁するシ
ーンでの柴咲の俊敏な動きを「彼女、すごいんですよ。動物的な、獰猛な動きがまさにこの主人公にぴったりだなと、柴咲さんでよかったと思いました」と絶賛している。

目つきがやばい柴咲コウの迫真の演技

なお、映像の中では、『レ・ミゼラブル』を観てオファーを決めたというダミアン・ボナールや、昔から黒沢監督と親交のあるマチュー・アマルリック、黒沢組の常連である西島秀俊、以前から自作に出演して欲しいと熱望していた青木崇高らキャスト陣について、貴重な制作エピソードを語る場面も収められている。時と国境を越え、満を持してスクリーンに蘇る映画『蛇の道』。オリジナル版を踏襲しながらも完全版リベンジ・サスペンスとして見事に昇華した黒沢監督の最新作に期待したい。

<Staff&Cast> 出演:柴咲コウ、ダミアン・ボナール、マチュー・アマルリック、グレゴワール・コラン、西島秀俊、ヴィマラ・ポンス、スリマヌ・ダジ、青木崇高/監督・脚本:黒沢清/原案:『蛇の道』(1998 年大映作品) /製作:CINEFRANCE STUDIOS KADOKAWA/製作国:フランス、日本、ベルギー、ルクセンブルク/113 分/配給:KADOKAWA/公式サイト:https://movies.kadokawa.co.jp/hebinomichi/

© 2024 CINÉFRANCE STUDIOS – KADOKAWA CORPORATION – TARANTULA

映画『蛇の道』は6月14日(金)より全国劇場公開

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