<Introduction>
文化庁委託事業「ndjc:若手映画作家育成プロジェクト」とは、特定非営利活動法人映像産業振興機構(略称:VIPO、理事長:松谷孝征、東京都中央区)が、日本における商業映画監督の育成への取り組みとして、2006年度より企画・運営する組織。2021年度は、製作実地研修で完成した短編映画4作品が、2月25日(金)~3月3日(木)まで東京・角川シネマ有楽町にて1週間限定公開されることが決定し、大阪(3/4〜)、名古屋(3/18〜)と順次劇場公開される。
和島香太郎監督作『梅切らぬバカ』をはじめ、岨手由貴子監督作『あのこは貴族』、池田暁監督作『きまじめ楽隊のぼんやり戦争』、堀江貴大監督作『先生、私の隣に座っていただけませんか?』、中江和仁監督作劇場版『きのう何食べた?』、ふくだももこ監督作『ずっと独身でいるつもり?』など、続々と修了者の長編劇場公開が続いている「ndjc」。今年は、夏に行ったワークショップから選出され、製作実地研修に進んだ4名の若手監督が、講師による脚本指導を経て、各制作プロダクションのもと、プロのスタッフ・キャストと共に短編映画を製作した。
<作品紹介>
●団塚唯我監督『遠くへいきたいわ』
●道本咲希監督『なっちゃんの家族』
●藤田直哉監督『LONG-TERM COFFEE BREAK』
●竹中貞人監督『少年と戦車』
<監督インタビュー> ※合評上映会にて
◉団塚唯我監督
本作について:これまでは実体験をベースに脚本を書いてきたんですが、それだと映画が閉じていくというのが今までの反省点だったので、映画をいろんな人に観てもらうために、好きな映画をいっぱい観て、演出や脚本を開いた感じにしようと思って書いていきました。/今後の目標:「今までは母の喪失のような、親子の映画を撮っていたんですが、(尺が)短いということもあって、父親を出していなかった。だから次は父親との関係をフォーカスしながら作りたい。親子の映画をもうちょっと頑張りたいなと思ってます。
◉道本咲希監督
本作について:実体験が大きくあるんですが、テーマとして中途半端な家族関係を描きたくて。家族の虐待や暴力、家族での会話がないということは、なかなか他の方に訴えかけづらい。解決も出来ないし、そういう問題ってあるなと。そういうことを描きたいなと思って、こういうお話を作りました。/今後の目標:今まで作った作品も私の実体験が入っていて。今回の作品もそうですが、主人公と同年代だったり、自分が経験したことを作ってきたんですが、そろそろそこから離れていきたいなと。自分の感覚とは遠い人たちを撮っていきたいなというのと、あとは家族の問題には興味があるんですけど、今後は笑えたりするシーンがあるような映画を撮っていきたいなと思います。
◉藤田直哉監督
本作について:そもそも今まで、男女の関係を描いたような作品を作ってこなかったので。そういう作品を作りたいなと思いました。それならば女性を主人公に。男性が撮る従来の女性像をどう乗り越えるかということにも興味があって作りました。(こだわった点は)やっぱり30分という尺なので、どう飽きさせないか、展開していくかを考えていて。ある種の飛躍というか、大胆に時間を飛ばしたり、事後を描いたり、でもその合間の部分は、見ている人がイメージで保管してもらうというところは、どれくらいあてるべきかは意識しました。/今後の目標:ジャンルに囚われない映画を作っていきたいですね。
◉竹中貞人監督
本作について:少年と戦車というテーマは、実体験がベースに考えたものなので楽しんでいただけたらうれしいです。(また)僕にとって、主演の俳優さんとディスカッションしながら作るというのは初めての経験でした。この映画のディスカッションを深く深くして、それによってまわりができあがって構築されていく。特に鈴木福くんはまわりの役者さんとの空気感を構築していくれて。お芝居を撮りやすい空気感を作ってくれて。頼もしいなと思いました。今後の目標:派手なエンタメが作りたいですね。内容的にはいろいろな企画を考えています。