「長編映画を10本撮ったら、映画監督を引退する」と公言している(ホントかな?)クエンティン・タランティーノ。最終作の準備が進む中、タブーを突き破る彼の映画人生の裏側に迫る衝撃ドキュメンタリー映画『クエンティン・タランティーノ 映画に愛された男』が8月11日(金・祝)より公開される。
1992 年、脚本・出演も兼ねた長編監督デビュー作『レザボア・ドッグス』で、カンヌ国際映画祭に殴り込みをかけ、一夜にして“時の人”となったタランティーノ。その後も新作を発表するたびに世界中の映画ファンを熱狂させ、誰にも真似できない“タランティーノ映画”という唯一無二のジャンルを打ち立てた。 いったい彼は、どうやって奇想天外な物語を次々と生み出し、観たこともない映像を作り出し続けることができるのか?本作はその秘密に肉迫する。
●傑作誕生の裏側を俳優・スタッフたちが暴露!?
今だから言える驚愕エピソードが続々!タランティーノの逸話と秘話をタブーなしで暴露するのは、監督第 1 作目から 出演している俳優たちやプロデューサー、スタッフ、映画評論家たち。Mr.ブロンド役のマイケル・マドセンが明かす『レザボア・ドッグス』の伝説の耳切りシーン誕生秘話から、別の俳優で当て書きされていた『パルプ・フィクション』のヴィンセント役がジョン・トラヴォルタに転がり込んだ裏事情、さらには、落ち目の頃に『ジャッキー・ブラウン』に起用された故ロバート・フォスター氏がタランティーノのチャーミングで義理堅い人たらしぶりを語る。
さらに、タランティーノ の作家性を象徴するワード「革命」「強い女性&ジャンル映画」「正義」の 3 つの章に分けられ、全作品の登場人物のつながりなど、創作の裏の裏まで分析される。中でも印象的なのは、女性の生き様を軸にした作品の数々だ。男たちの世界から一転、『ジャッキー・ブラウン』の主人公に抜擢されたのは女優パム・グリア。『パルプ・フィクショ ン』で彼女のシーンをカットしたタランティーノが、「次はパムを主役にする」という約束を果たした作品でもある。
また、「女性が戦ったりリーダーになったりするのは、クエンティンにとっては自然なことよ」と解説するのは、『キル・ビル』で オーレン・イシイを演じたルーシー・リュー。だが、『キル・ビル』の撮影現場では、タランティーノが「最大の後悔」(撮影中、ユマの運転する車が大事故に)とコメントするほどの大きなミスも起きた。当時、プロデューサーを務めていた悪名高きハーヴェイ・ワインスタイン(2023年、女性らへの性的暴行罪で有罪評決を受ける)がその事実をもみ消したそうだが、証拠となる衝撃の追突映像も今回公開されているから驚きだ。
タランティーノ・ファミリーの貴重なインタビュー、8 本の監督作品の名場面、メイキング映像、タランティーノお気に入り映画のハイライトシーン、エピソードをアニメ化した映像などをふんだんに盛り込りながら、創作の裏の裏まで分析される本作。これは、タランティーノ・ファンのみならず、映画ファンは見逃せない衝撃のドキュメンタリーと言えるだろう。
<Staff&Cast> 出演:ゾーイ・ベル/ブルース・ダーン/ロバート・フォスター/ジェイミー・フォックス/サミュエル・L・ジャクソン/ジェニファー・ジェイソン・リー/ダイアン・クルーガー/ルーシー・リュー/マイケル・マドセン/イーライ・ロス/ティム・ロス/カート・ラッセル/クリストフ・ヴァルツ/2019年/アメリカ/英語/101分/カラー/ビスタ/5.1ch/原題: QT8: THE FIRST EIGHT/R15+/日本語字幕: 高橋彩/配給:ショウゲート 公式HP:https://qt-movie.jp
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