日本オタクで知られる鬼才カルロス・ベルムト監督の最新作『マンティコア 怪物』が、いよいよ 4 月 19 日(金)よりシネマート新宿、渋谷シネクイントほか全国順次公開となる。これを記念して、サン・セバスチャン国際映画祭グランプリ&監督賞をダブル受賞し、ペドロ・アルモドバル監督が「宝石のような映画。私はこの映画を猛烈に愛する」と大絶賛したカルロス監督の劇場デビュー作『マジカル・ガール』(14)が、シネマート新宿で一週間限定(4/12~18)の凱旋レイトショー上映されることが決定。併せて二作を紹介するスペシャル映像が解禁された。
日本オタクの鬼才が踏み込む人間の心の禁忌を描いた最新作『マンティコア 怪物』、そして日本テイストが詰まったカルロス監督の原点でトラウマ必至の『マジカル・ガール』。スペシャル映像では、「伊藤潤二の新作漫画を買いに行く」というセリフを深刻な面持ちで誰かに告げる主人公フリアン(『マンティコア 怪物』)の姿や、「魔法少女ユキコ」のコスチュームを身に纏った顔色の悪い少女アリシア(『マジカル・ガール』)の姿が映し出され、カルロス・ベルムト特有の妙に不穏な空気が流れる、凱旋上映の華々しさが一切ない不思議なスペシャル映像となっている。
劇場デビュー作『マジカル・ガール』:日本のアニメ「魔法少女ユキコ」の大ファンでコスチュームを着て踊ることが夢の、余命わずかな少女アリシアと、娘の願いを叶えるために奔走する失業中の父の予期せぬ物語を描いた問題作。日本公開時も「トラウマ必至の映画」または「究極の鬱映画」として熱狂的なファンを産み出している。
最新作『マンティコア 怪物』:犯罪とそうでないものを分けるモラルの一線について描いた衝撃作。カルロス監督は「フリアンはその一線を越えることを避け ようとしていて、それが彼の背負っている苦行でもある。私は人間という複雑な存在に興味があるし、必ずしも良い面ばかりではないこ とも理解している。そうでなければ物語の中で起こる多くの葛藤は起こらないし、起こったとしてもそれはそのキャラクターに対する罰となるのだから」と語っている。自身の心の奥底に潜む“怪物”の存在に苦悩する主人公の姿を捉えた本作は、海外の評論家たちからは 「傑作」「残酷」「最もタブーな題材への挑戦」「巧妙で、恐ろしいラブストーリー」などと絶賛されている。自分自身では気付かない彼 の“問題”、現実と空想に横たわる倫理の一線、そして彼に問われるモラルとは一体なんなのだろうか…。
<Story> 空想のモンスターを生み出すゲームデザイナーの内気で繊細なフリアン。ある日、同僚の誕生日パーティーで美術史を学ぶディアナに出会い、次第に聡明でどこかミステリアスな彼女に惹かれていく。だが、隣人の少年を火事から救った出来事をきっかけに、フリアンは原因不明のパニック発作に悩んでいた。やがて彼が抱えるある秘密が、思いもよらぬマンティコア<怪物>を作り出してしまう…。
<Staff&Cast> 監督・脚本:カルロス・ベルムト /出演:ナチョ・サンチェス、ゾーイ・ステイン、アルバロ・サンス・ロドリゲス、アイツィべル・ガルメンディア/2022 年/スペイン・エストニア/カラー/DCP/5.1ch/ビスタ/116 分/原題: Mantícora/ PG12/ 配給:ビターズ・エンド
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