10 月28日(月)に日比谷・有楽町・丸の内・銀座地区で開幕したアジア最大級の映画の祭典である「第37回東京国際映画祭」が、11月6日(水)に閉幕を迎え、TOHOシネマズ 日比谷スクリーン12にてクロージングセレモニー、東京日比谷ミッドタウンLEXUS MEETS…にて受賞者記者会見が行われた。
クロージングセレモニーでは、各部門受賞作品の発表・授与式が行われ、東京グランプリ/東京都知事賞に吉田大八監督の『敵』が選出され、主演男優賞(長塚京三)と最優秀監督賞(吉田大八)と併せて3冠を達成。審査委員長トニー・レオンよりトロフィーを授与された。なお、日本映画がグランプリに輝くのは第18回の根岸吉太郎監督作『雪に願うこと』以来19年ぶりの快挙となる(当時の名称は東京サクラグランプリ)。また、長塚は東京国際映画祭主演男優賞の最高齢(79歳)での受賞となり、主演女優賞は『トラフィック』のアナマリア・ヴァルトロメイ、審査員特別賞は『アディオス・アミーゴ』、最優秀芸術貢献賞は『わが友アンドレ』、そして観客賞は『小さな私』がそれぞれ受賞した。
●各賞の受賞作品、受賞者は以下の通り
【コンペティション部門】東京グランプリ/東京都知事賞:『敵』(日本)/審査員特別賞:『アディオス・アミーゴ』(コロンビア)/最優秀監督賞:吉田大八監督(『敵』、日本)/最優秀女優賞:アナマリア・ヴァルトロメイ(『トラフィック』、ルーマニア/ベルギー/オランダ)/最優秀男優賞:長塚京三(『敵』、日本)/最優秀芸術貢献賞:『わが友アンドレ』(中国)/観客賞:『小さな私』(中国)/【アジアの未来作品賞】:『昼のアポロン 夜のアテネ』(トルコ)/【東京国際映画祭 エシカル・フィルム賞】:『ダホメ』(ベナン/セネガル/フランス)/【黒澤照】:三宅唱、フー・ティエンユー/【特別功労賞】:タル・ベーラ
●審査員長ほか各賞へのコメント
東京グランプリ/東京都知事賞受賞『敵』 トニー・レオン 講評:本当に心打たれる素晴らしい映画です。ユーモアのセンス、素晴らしいタッチ、そしてエレガントで映画的表現として新鮮な作品。すべて完璧に仕上げていました。
東京グランプリ/東京都知事賞受賞『敵』 吉田大八(監督) コメント:審査員の皆さま、ありがとうございます。10日間映画祭を支えたスタッフの皆さまもありがとうございます。私自身もこの映画祭で多くの映画を観ることができました。味方は意外と多いことに気づけて良かったです。僕も長塚さんも皆さんの敵であり、味方でいたいと思います。これからも映画をよろしくお願いします。
小池百合子東京都知事 コメント(松本明子副都知事代読):吉田大八監督を含め、受賞者の皆様おめでとうございます。毎年数多くの新しい才能が東京か生まれ、世界に羽ばたいてくれることを大変うれしく思っております。映画は人々の心に潤いをもたらします。世界がいくつもの困難に見舞われておりますが、映画の魅力を発信することで素晴らしい未来につながること期待しています。
審査委員長 トニー・レオン 総評:
東京国際映画祭と審査委員の同志に感謝を伝えます。素晴らしい審査員たちにも感謝します。今回、審査委員長という立場に大変緊張しました。当初は、いい映画に出会えなかったらどうしよう、逆にいい映画ばかりだったらどうしようとハラハラしていました。でも、審査委員全員一致でこの素晴らしい作品を見つけることができました。近い将来、またこの東京国際映画祭に来ることが出来る日を楽しみにしています。