現地時間5月27日(土)20時半(日本時間/28日(日)3時半)より開催された第76回カンヌ国際映画祭授賞式にて、是枝裕和監督最新作『怪物』がクィア・パルム賞に続き、脚本賞を受賞した。
本作の脚本を手掛けたのは、映画『花束みたいな恋をした』やドラマ『大豆田とわ子と三人の元夫』など話題作を次々と手掛けている名手・坂元裕二。 審査員長のリューベン・オストルンド監督(『逆転のトライアングル』で昨年パルム・ドールを受賞) をはじめ、ジュリア・デュクルノー監督(『TITANE チタン』で‘2021年にパルム・ドールを受賞)、 俳優のポール・ダノ、ブリー・ラーソンら審査員から高い評価を受け、並みいる強豪を押さえての快挙となった。
是枝監督が壇上で、「ありがとうございます。一足早く日本に帰った坂元裕二さんに、すぐ報告します。 僕がこの脚本の基になったプロットを頂いたのが2018年の12月なので、もう4年半前になります。 そこに描かれた2人の少年たちの姿をどのように映像にするか、 少年2人を受け入れない世界にいる大人の1人として、自分自身が少年の目に見返される、 そういう存在でしかこの作品に関わる誠実なスタンスというのを見つけられませんでした。 なので、頂いた脚本の1ページ目に、それだけは僕の言葉なんですけども、 『世界は、生まれ変われるか』という1行を書きました。 常に、自分にそのことを問いながら、この作品に関わりました。 一緒に脚本を開発した川村さん、山田さん、作品に関わっていただいたスタッフ、キャストの皆さん、 みんなの力でこの賞を頂けたと思っております。ありがとうございました」とスピーチ。
また、現地メディアの中継で是枝監督は、受賞後すぐに坂元に報告したところ、 本人より「夢かと思った」という返事が届き、続けて「たった一人の孤独な人のために書きました。 それが評価されて感無量です」と喜びの言葉を寄せたことを伝えた。なお、 カンヌ国際映画祭において日本映画の脚本賞の受賞は、2021年の第74回カンヌ国際映画祭にて 濱口竜介監督の『ドライブ・マイ・カー』が受賞して以来2年振り、 是枝監督作品の同映画祭でのコンペティション部門での受賞は 2022年の『ベイビー・ブローカー』に続き2年連続となる。
<スタッフ&キャスト> 出演:安藤サクラ、永山瑛太、黒川想矢、柊木陽太、高畑充希、角田晃広、中村獅童、田中裕子/監督・編集:是枝裕和/脚本:坂元裕二/音楽:坂本龍一/企画・プロデュース:川村元気、山田兼司/製作:東宝、ギャガ、フジテレビジョン、AOI Pro.、分福/配給:配給:東宝 、ギャガ 公式サイト:gaga.ne.jp/kaibutsu-movie/