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NOV 24, 2022 インタビュー

あと10年は“ロマンス職人”続けたい…ヨン・ウジン&キム・ジョングァン監督最新作『夜明けの詩』公開記念インタビュー

ヨン・ウジンとキム・ジョングァン監督

韓国版『ジョゼと虎と魚たち』などで高い評価を獲得した“映像詩人”キム・ジョングァン監督と、Netflixドラマ「39歳」などで女性ファンを虜にした“ロマンス職人”ヨン・ウジンが、『窓辺のテーブル 彼女たちの選択』に続き再びタッグを組んだ最新映画『夜明けの詩』が11月25日(金)より日本公開される互いに信頼し合う両雄に、新たなチャレンジとなった本作への思い、『ベイビー・ブローカー』で一躍注目を集めた“国民の妹”イ・ジウン/IU参加の経緯、8月に日本で開催されたファンミーティングの印象について話を聞いた。

あらすじ:まだ冬の気配が残る韓国・ソウル。イギリスから7年ぶりに帰国した小説家のチャソク(ヨン・ウジン)は、コーヒーショップで時間をなくした女性(イ・ジウン/IU)と出会う。彼女は一体何者なのか…?その後も、想い出を燃やす編集者、希望を探す写真家、記憶を買うバーテンダーと…心に深い葛藤を抱えながらも人生を歩み続ける人々と出会い、自らも心に仕舞い込んでいた記憶と向き合い始める。

●事実とフィクションの垣根超える作品を作りたかった(ジョングァン監督)

――前作『窓辺のテーブル 彼女たちの選択』もそうですが、本作を拝見して、ウジンさんはジョングァン監督ととても相性がいいなと感じました。

ウジン:『窓辺のテーブル 彼女たちの選択』で初めてご一緒したんですが、作品に対する真摯な姿勢、役者としての心構えなど、たくさんのことを学ばせていただきました。僕にとっては心から信頼できる監督の一人。今回、またご一緒できてとても嬉しく思っています。

“ロマンス職人”ヨン・ウジン

――ウジンさんの穏やかな雰囲気も相まって、本作は一言では表現できない不思議な世界観を持っています。ジョングァン監督はどんな思いを込めてこの映画を制作したのですか?

ジョングァン監督:ウジンさんとともに、「生死」「時間」「記憶」といったテーマを軸にしながら、人生を語る映画を作りたいと思いました。実は本作に繋がっている作品(『窓辺のテーブル 彼女たちの選択』)があるんですが、その内容を踏襲しながらも、「フィクションとノンフィクションの垣根を超える」という大胆な取り組みにも挑戦しています。

“映像詩人”キム・ジョングァン監督

――今回、『ベイビー・ブローカー』にも出演し、日本でも大人気のイ・ジウン/IUさんが“コーヒーショップの女”をミステリアスに演じています。彼女を起用しようと思ったのはなぜですか?

ジョングァン監督: 実はNetflixドラマ「ペルソナ ―仮面の下の素顔―」(エピソード4「夜の散歩」)で1度ご一緒したんですが、彼女は独特の表現力というか“話法”を持っていて、それが凄く魅力的だなと思いました。俳優としても、アーティストとしても素晴らしい才能を発揮していますが、それに加えて唯一無二の個性がある。本作は低予算で実験的な映画ですが、彼女は「新しいチャレンジ」と捉えてくれたようで、出演を快諾してくれたことにとても感謝しています。

“国民の妹”イ・ジウン/IU

イ・ジウン/IUとキム・ジョングァン監督

――ちなみに本作のキャッチフレーズが、「観る者すべてに寄り添うヒーリングストーリー」となっていますが、お二人にとって、心を休める、あるいは想像力を養う“癒しの時間”は?

ジョングァン監督:まずは、普段が忙しすぎるので、ゆっくり寝ることですね(笑)。あとは、歩くことが大好きなので、散歩をしながら心を整えるようにしています。人が多い場所や時間を避け、人のいない路地や裏道を利用して長い時間歩く…癒しを求める時は、たっぷり睡眠をとって、ひたすら歩くことを心掛けています。

ヨン・ウジン演じる彷徨う主人公

ウジン:私も歩くことが大好きなので、少し監督と似ているかもしれませんね。長い時間歩きながら、いろいろ想像してみたり、構想を練ってみたり、演技のアイデアを考えてみたり、時には自分が求める幸せについて自問自答してみたり…。歩くことは僕にとって癒しにもなっているし、想像力の源にもなっている。ただ、その反面、コロナ禍を経験したことによって、今は現場がとにかく楽しくて。人と直接語り合ったり、冗談を言って笑ったり、あるいは刺激をもらったり…。僕もデビューしてかなりの年月が経ちますが、これほど現場が楽しいと思ったことはありません。

●“ロマンス”職人”恥ずかしいけれど10年は続けたい(ウジン)

――ウジンさんは、8月に日本で開催されたファンミーティングに参加されたそうですね。反応はいかがでしたか?

ウジン:コロナ禍の状況だったんですが、たくさんの方が会いに来てくださって、とても嬉しかったです。その中で、一人お年を召した女性がいらっしゃって、映画に凄く感動されて泣いておられたんです。その姿を観たとき、本作に対する手応えを感じるとともに、こういうファンの方々のためにも、自分はもっともっとがんばらなきゃいけないと。いい作品にたくさん出演して、皆さんと幸せを共有したいと心からそう思いました。

――さすが“ロマンス職人”と呼ばれるウジンさん、女性ファンにとってはたまらない言葉ですよね。

ウジン:その表現、ちょっと恥ずかしいですね(笑)。恋愛に関しては、私自身も作品を通して学んでいる身なんですが、ただ、この年(現在38歳)になって、まだロマンチックコメディーやメロドラマができることに対しては、一人の俳優としてありがたいことだと思っています。もちろん、年をとることによって恋愛観も変わってくると思いますが、オファーがある限り、そういった変化も採り入れながら演じていきたいとは思っています。あと10年はがんばりたい。

ヨン・ウジン、撮影の合間に

――せっかくなので、お二人に日本映画の印象についてお聞きしてもいいですか?好きな作品、監督、俳優なども教えてください。

ジョングァン監督:私が最もリスペクトしているのは、成瀬巳喜男監督(『浮雲』『乱れる』ほか)。小説家なら、夏目漱石と松本清張ですね。最近観た中では、寺島しのぶさんが熱演された映画『オー・ルーシー!』や連続ドラマ「重版出来!」がよかったです。日頃から日本の映画やドラマにはとても関心があって、『ジョゼと虎と魚たち』のリメイクに挑戦したのも、その思いが高じたからなんです。

ウジン:最近のベストムービーは、濱口竜介監督の『ドライブ・マイ・カー』ですね。少し前に劇場で観たんですが、一人号泣してしまいした。ジョングァン監督と同じように、僕も日本の映画やドラマが大好きで、たくさん観させていただいているんですが、一番の魅力は、「感情を強要しない」というところだと思っています。余韻を残しながら、心の中に湧き起った自然な感情を楽しむという作品が多いように思います。これはとても素晴らしいこと。チャンスがあれば、僕も日本の映画やドラマに出演してみたいですね。 (取材・文:坂田正樹)

映画『夜明けの詩』は11月25日(金)よりシネマート新宿ほか全国ロードショー

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