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JUN 17, 2022 インタビュー

<BC注目女優#3>英国製SFホラー『クリーチャーズ』で主演を射止めた国際派女優・斎藤莉奈、成功の秘訣は「たくさん間違えること」

斎藤莉奈
斎藤莉奈

B級からZ級まで突き抜けた映画を提供する「エクストリーム(旧TOKANA事業部)」待望の最新作『クリーチャーズ/宇宙から来た食人族』が本日よりいよいよ日本初公開となる。

宇宙からやってきた肉食エイリアンとの戦いに巻き込まれた大学生たちの奮闘を、『グレムリン』『エイリアン』『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』『マーズ・アタック!』など、名作へのオマージュ満載で描いた本作。広~い心で観てほしいイギリス製SFパニックホラーとなっているが、そんな愛すべき作品の中にあって、一人気を吐く日本人女優を発見!ヒロイン・アカネを演じた斎藤莉奈(28)だ。

『クロネズミ』『冷たい熱帯魚』『東京喰種 トーキョーグール』などに出演後、2017 年より単身ロンドンへ拠点を移し、現在は主にヨーロッパやハリウッド作品など海外のマーケットで活動する彼女にとって、本作が海外映画初出演でしかも初のヒロイン役となる。コロナ禍で一時帰国中の斎藤に、ロンドンに拠点を移したきっかけや海外で成功するための秘訣、さらには移住3年でようやくつかんだ初主演作への思いを聞いた。

芸能生活10年目、何か大きなアクションを起こしたくなった

――オマージュ満載の振り切ったとてもユニークな映画でした。斎藤さんを初めてスクリーンで観たのですが、目力やアクションがすごかった!ぜひ、タランティーノに観ていただいて、『キル・ビル3』に使ってほしいと思いました。

斎藤:うわぁ!いきなりアゲていただいてありがとうございます!これは監督もおっしゃっていたんですが、私が演じたヒロインのアカネは、まさに『キル・ビル』のザ・ブライドを意識したキャラクターだそうです。映画も『グレムリン』や『エイリアン』などオマージュいっぱいのオモチャ箱をひっくり返したような内容なので、この夏、お化け屋敷感覚で楽しんでいただけたら嬉しいです。

――オモチャ箱をひっくり返したような作品・・・本当にそうですね。作品のことは後ほど詳しくお聞きするとして、斎藤さんをまだ知らない人のために自己紹介がてら、これまでの歩みをサクッと教えていただけますか?まずはデビューのきっかけから。

斎藤:13歳の時に、ファッション雑誌の『Seventeen』で活躍されていた武井咲さんを見て、「同じ年なのに、なんてかっこいいんだろう!」って思っちゃったんですよね(笑)。その憧れの気持ちが後押しして、『ミスセブンティーン2007』というオーディション大会に応募しました。

斎藤莉奈

――確かファイナリストまで行ったんですよね?

斎藤:はい、優勝はできなかったのですが、運良く芸能事務所さんから声をかけていただきました。最初はモデルをやるつもりでいたんですが、面接に伺った時、事務所の方から「君は声が低いから女優の方が向いているかも」と言われたんですね。私としては、CMや雑誌のモデルも楽しそうだし、役者さんのお仕事も楽しそうだし、当時はどちらも魅力的だったのですが、色々と経験するうちに、演じるお仕事がだんだんライフワークのようになってきて。もちろんモデルのお仕事も継続してやっていますが、今は女優を軸として頑張っていきたいなと思っています。

――日本では13歳から23歳までの10年間活動されて、『冷たい熱帯魚』や『東京喰種 トーキョーグール』など、脇役ではあるものの少しずつ実績を積まれていたと思いますが、なぜ海外に挑戦しようと思ったのですか?  

斎藤:渡英する前に、事務所を退所してフリーの期間があったんですが、その時に自分の人生を深く考えてみたんです。10年間、日本で活動させていただきましたが、もっともっとお仕事が欲しかったし、満足の“ま”の字にも到達していなかったので、何か大きなアクションを起こして生活を変えたい!という衝動がどんどん湧き起こってきて。芸能界に入った以上は、「ビッグになりたい!」というのが私の中にあったので、だったら一度、外の世界(海外)を見てみたいなと思ったんですね。

◆ロンドンはセルフ・プロデュースができなと生き残れない

――ハリウッドではなく、なぜロンドンを選択したのですか?

斎藤:これはちょっと個人的なことですが、小さい頃から動物が大好きで、保護活動のボランティアにも参加しているんですが、ハリウッドとイギリスを視察した時に、イギリスの方が動物保護に関して昔からすごく力を入れていて、理解が深かったことも大きかったですね。もちろん、俳優としての環境が第一なので、マーケット事情もとことん調べました。すると、イギリスでは、自国の映画やドラマだけでなく、ハリウッド作品のオーディション情報も入ってくるのがわかったので、それならロンドンだなと。あとは、ハリウッドほど日本人女優がいないので、その分、チャンスが多く巡ってくるかな、というのもありました。

――視察というのは、一度向こうに行って自分なりに情報を集めたんですか?

斎藤:ワークショップに参加して、そこで現地の俳優さんからオーディション事情などを聞いたりしましたね。

――英語は話せたんですか?

斎藤:それが全く(笑)。渡英前に多少勉強しては行ったのですが、最初はほとんど通用せず、もう毎日が恐怖でしたね。ヒアリングも、聞いたことのないような略し方をしてくるので苦労しました。

――なるほど、その感じだとオーディション情報を集めるのは相当大変でしたね。

斎藤:会話は大変だったんですが、情報集めは意外とスムーズにいきました。というのも、イギリスってオーディションに関してオープンなんですね。日本だと事務所を通して…というのが多いと思うんですが、向こうは俳優のためのプラットフォームがあって、そこに登録すれば、事務所に入っている、入っていないにかかわらず、誰でもキャスティング情報をゲットできるし、自由に受けに行ったりすることもできるんです。

――今はどこか事務所に入られているんですか?

斎藤:はい。それもプラットフォームに登録していた私のプロフィールを見てお声がけいただいたので契約させていただきました。ただ、事務所に所属しても結構自由で、今は事務所経由で受けるものと個人で受けるものと半々くらいなんですね。『クリーチャーズ』は個人で探して自分でオーディションを受けに行きました。

――日本の芸能事務所と比べて自由度が高いんですね。ほかに何か違いはありますか?

斎藤:日本だとマネージャーさんがしっかり管理してくれるんですが、こちらは誰もプロデュースしてくれる人がいないので、自分で自己分析して、自分の売りになるところを出していかなといけないんですね。さらに、自分がコンプレックスに思っているところは、一切触れず、「ありのままでいいよ」って感じで送り出してくれるのでストレスはないですが、そこも自分でコントロールしなければなりません。全ては自分次第、セルフ・プロデュースができないと生き残れない世界ですね。

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◆イギリスのオーディションはスーパーフレンドリー!

――オーディションの内容はいかがですか?日本とはかなり違うのでしょうか。

斎藤:基本的にスタイルは同じですね。監督や脚本家、プロデューサーの方がいて、事前に渡されていた台本に沿って演技をするという感じなんですが、日本よりもいろんなバリエーションで演技を見ていただけるところはあるかなと思います。あとは、オーディションの雰囲気がスーパーフレンドリーです(笑)。日本は会場に入った瞬間、独特の緊張感がありますが、向こうはまず手を握って「よく来てくれたね、ありがとう!」って大歓迎してくれるので、すごくリラックスして臨めるし、演技もめちゃくちゃ褒めてくれます。ただ、結果だけはすごくシビアなんですね。だから、最初はよく勘違いして、「よし、これは受かったな」と思って通知を待っていたら、「え?不合格?なんで…」というのはよくありました(笑)。日本は、「今回はちょっとイメージが合わず…」とか気遣いがあるのですが、その辺りはドライというか。なるほど、笑顔の裏にはプロとしての厳しい目があるんだなということを学びましたね。

――ちょっと立ち入ったことをお聞きしますが、やはり俳優として軌道に乗るまでは生活費も大変だと思いますが、その辺りはどうされているんですか?

斎藤:ロンドンって家賃がめちゃくちゃ高いんですよ!だから結構大変なんですが、幸運なことに広告のお仕事があるので、生活費に関してはとても助かっています。特にアジア人モデルの需要も上がってきているので、こちらから積極的に使っていただけるようアプローチもしています。

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◆初ヒロイン役を射止めた『クリーチャーズ』への熱い思い

――イギリスにわたって3年、本作で初の映画出演、そして初のヒロイン役を射止めました。こちらもオーディションで勝ち取ったそうですが、その時の状況を教えてください。

斎藤:1時間ぐらい時間をとってくださって、まず、事前に渡された台本のシーンを演じたんですが、アカネのキャラクターもあって、ほとんど怒りのシーンで、怒っている芝居が多かったと思います。そのあとは、アクションコーディネーターの方がいたので、実際に木刀を持って、立ち回りを見ていただいたりしました。

クリーチャーズ

――アクションシーン、すごくキレがあって良かったですね。日頃からトレーニングされているんですか?

斎藤:モーションキャプチャを1年くらいやっていたんですが、そこにいた先輩の俳優さんが『ラスト・サムライ』などいろんなアクション映画をやられている方で、手取り足取り教えてくださって、基礎を学ばせていただきました。あとは、ワークショップなどで殺陣を習ったり、趣味でボクシングをやったり、日頃からアクションを意識した体づくりは結構やっていますね。

クリーチャーズ
クリーチャーズ

――それにしても、ストーリーがかなりぶっ飛んでいるので、正直、脚本を読んだ時、心配になりませんでしたか?(笑)

斎藤:確かにそうですね、どこに行っちゃうんだろう?っていう感じでありましたね(笑)。「コメディーだし、これでいいんだ」と自分に言い聞かせて安心する部分はあったかもしれません(笑)

――斎藤さんが演じたヒロイン・アカネ。彼女を演じる際、どんなことを思いながらキャラクターを作っていったんですか?終始、不機嫌そうな顔をしていましたが。

斎藤:一応、台本だと、ヤクザの家系に育って、危険な目に合いそうなので、イギリスの田舎に飛ばされたという設定なんですが、彼女って、実はすごく傷つきやすいのかなって思ったんです。と言うのも、たぶん日本で壮絶な経験をして、あまり人に入れ込みたくないっていう思いがあるので、一匹狼を装っていますが、その反面、「生きなきゃ」っていう気持ちが人一倍強いと思うんですよね。でも、最後はアカネ本来の優しさ、人間らしさが戻って来ちゃうので、弱ってる人がいたら助けたい、見捨てられないっていう感情もあったりして、そのコントラストがあるのかなとは思いました。

クリーチャーズ

◆海外で成功するための秘訣、それは「たくさん間違えること」

――なかなかユニークな作品ではありますが、1本主演作を撮り切った今の感想は?

斎藤:少しは役者としての自信になったのかなと思います。ただ、撮影の打ち上げでみんなが楽しんでる時に、ひとり「もっとできたよな」って、ちょっと反省ムードになってしまって…。。もしかすると、それは役者につきものなのかもしれないんですが、悔しい気持ちをバネにもっともっと頑張らなきゃっいけないなっていう気持ちにはなりましたね。

――さて、斎藤莉奈はこれからどんな女優を目指していくのでしょう。

斎藤:そうですね。やはり海外作品に興味があるので、引き続きロンドンで頑張りたいな、という思いは変わらないのですが、その中で、日本の文化を上手に伝えるエッセンスの一つになれたらいいなと思いますね。イギリスにいればいるほど日本の文化を誇りに思う気持ちが高まるというか。例えば、日本舞踊を習っているので、向こうで着物を着てちょっと披露したりすると、ものすごく感動していただいたりするので、映画やドラマ、広告など、色んなお事を通じて、素晴らしい日本の文化を広められたらいいなと思います。

――最後に、これから海外での活動を目指す若い俳優さんたちに何かメッセージがあれば。

斎藤:海外の場合は、多民族国家が多いので、そういった知識は事前に持っておいた方がいいと思います。それぞれの文化を理解しておくだけで、誰かを傷つける言葉をうっかり言わずに済むので。あとは、とにかくポジティブな意味で「たくさん間違えること」ですね。間違えたことって鮮明に覚えますから。例えば英語なんかも、私は全く喋れないところから始めたので、最初はコミュニケーションをとるのが怖かったんですが、どんどん間違えていけばいいと思います。逆にその間違いから笑いが起こり、チャンスに変わるときもあるかもしれないので。だから素直にいることってすごく大事。かっこつけずに、むしろヘラヘラしてる方が温かく迎えてくれると思います(笑)

提供:バックヤード・コム 取材・文:坂田正樹 撮影:松井証弘

斎藤莉奈(さいとう りな)プロフィール

斎藤莉奈

1993年神奈川県生まれ。役者、モデル。『ミスセブンティーン 2007』ファイナリスト入りをきっかけ13 歳で芸能活動デビュー。映画やドラマ、舞台を経験したのち、2017 年、東京からロンドンへ拠点を移す。現在、主にヨーロッパやハリウッド制作作品など海外のマー ケットで活動している。演技の幅はコメディエンヌやジェンダーレスな役など、 多岐に渡る。 演技をライフワークとする傍ら、動物好きが高じてボランティアなど動物福祉への参加、環境保護への意識から得意のヴィーガン料理レシピを SNS で公開中。主な出演歴:2010 年『クロネズミ』、2011 年『冷たい熱帯魚』、2017 年『東京喰種 トーキョーグール』

映画『クリーチャーズ/宇宙から来た食人族』はヒューマントラスト シネマ渋谷、池袋シネマ・ロサ、新宿シネマカリテで公開中(6/18 斎藤莉奈&オカルト編集者・角由紀子による舞台挨拶決定!詳しくはHPで https://creatures-movie.jp/ で!

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