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JUL 19, 2023 メイキング

トム・クルーズはなぜ、命を危険にさらすのか?『ミッション:インポッシブル』最新作で挑んだ妥協なき肉体表現

世界的大ヒットを記録した『トップガン マーヴェリック』の余韻が今も残るトム・クルーズだが、彼の辞書に“オフ”という文字はない。もう一つの代表作『ミッション:インポッシブル』の最新作『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』が7月21日(金)よりいよいよ日本劇場公開となる。

©2023 PARAMOUNT PICTURES.

<Focus Points> 2022年、カンヌ国際映画祭で開催されたマスタークラス(特別講義)でトムは、「あなたはなぜ、自分でスタントを行うことにこだわるのか?」と質問された。その言葉の奥に、世界的スターが日頃から命を危険にさらしていることに対する“戸惑い”が込められていたが、トムはこう答えている。「例えば、ジーン・ケリー(『雨に唄えば』など)に、『なぜ自分でダンスをするのか』と聞いた人はいないですよね」…。トムにとって観客に没入感を与えることに徹することは仕事の一部。そんな彼に、この質問の意味は理解できなかったようだ。

©2023 PARAMOUNT PICTURES.

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さらにトムは、「私は身体的な俳優で、動きを通してキャラクターを表現してきた。全ての作品においてね。キャラクターを作るには感情的にも肉体的にも常にエネルギーが必要であり、それが物語を伝える方法なんだ。だから、自分の声と体をコントロールできるのは技術の一つだと考えている」と主張する。そんな真摯な姿勢こそが、『ミッション:インポッシブル』シリーズにパワーを与え、トムという命知らずのパフォーマンスが逆に生命線となっていると言えるだろう。

©2023 PARAMOUNT PICTURES.

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シリーズの大ファンを自認する俳優のケリー・エルウィズ(『デイズ・オブ・サンダー』でも共演)は、本作に出演したことでトムのレジェンドぶりをこう肌で感じたと熱弁する。「映画製作史上、自分で全てのスタントをこなす俳優は片手で数えるほどしかいない。カーチェイスやバイクがメインのスティーブ・マックイーン、マーシャルアーツがメインのジャッキー・チェン、そしてオールラウンドのトム。彼はもはや別格の域に達している。スタントというより、命懸けの技能なんだ」。

©2023 PARAMOUNT PICTURES.

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トムの本物へのこだわりは、最新作『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』でも最大限に発揮され、驚異的なアクションがカメラに収められている。バイクによる断崖絶壁ダイブ(メイキング映像)、パラグライダーの神業操作、ローマ市街を突っ切る常軌を逸したカーチェイス(メイキング映像/ルパン三世でお馴染みの黄色いフィアット500も登場!)などなど、数あるハードなシーンの中でも、「列車でのバトル」(メイキング映像本編映像)を最も楽しみにしていたというトム。本作のクライマックスに用意されたこのシーンは、サイレント映画を研究することから始まり、それがとんでもない方向へと導いていく。

©2023 PARAMOUNT PICTURES.

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メガホンをとったクリストファー・マッカリー監督(『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』)は、こう当時を振り返る。「トムと私が、『ミッション:インポッシブル』に着手する時、最初にすることの一つが、サイレント映画を徹底的に研究することなんだ。最も初期の頃の映画にさかのぼって鑑賞するのですが、そこで気づかされるのは、作品を小手先でごまかすような技術がなかったこと、そして、全てが本物であったこと」。サイレント映画について語る中で、トムに「今までやったことのないことで、何をやりたい?」とふいに聞かれ、「列車を破壊したい」と思わず応えてしまったマッカリー監督は苦笑いを浮かべる。「それが運命的な言葉になってしまった。とにかく私が想像していた以上に複雑で困難を極める大変な撮影に挑むことになったんだからね」。

撮影はノルウェイで行われた。全長40km、息を呑むような田園風景の中、まるでオリエント急行のように装飾されたアンティークな列車が戦場と化すクライマックスはまさに圧巻!観客はその迫力と緊張感から体を硬直させ、数十分、金縛り状態になるだろう。(編集部:坂田正樹)

<Introduction> トム演じるIMFのエージェント、イーサン・ハントをはじめ、ルーサー・スティッケル役のヴィング・レイムス(『ミッション:インポッシブル』全シリーズ)、ベンジー・ダン役のサイモン・ペッグ(『ミッション:インポッシブル3』以降シリーズ)、イルサ・ファウスト役のレベッカ・ファーガソン(『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』以降シリーズ)などお馴染みのメンバーが顔を揃え、前作『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』から参加となった謎のキャラクター、ホワイト役のヴァネッサ・カービーも続投。

©2023 PARAMOUNT PICTURES.

また、シリーズ1作目以来の登場で再びイーサンを追い詰めるキットリッジ役のヘンリー・ツェニーがカムバックし、本作を盛り上げる。さらにイーサンと共闘するヒロイン、グレース役のヘイリー・アトウェル(『アベンジャーズ/エンドゲーム』)、最強ヴィラン、パリス役のポム・クレメンティエフ(『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズ)、謎の権力者カブリエル役のイーサイ・モラレス(『バッド・ボーイズ』『ザ・タウン』)ら新メンバーも個性派が勢揃いした。

©2023 PARAMOUNT PICTURES.

<Story>  IMFエージェント、イーサン・ハント(トム)に課せられた究極のミッション…それは、全人類を脅かす《新兵器》が悪の手に渡る前に見つけ出すこと。だが、IMFを監督するCIAの凄腕エージェント、キットリッジ(ヘンリー)に、「過去からは逃れられない。このミッションで君は全てを失うだろう」と告げられる。さらに畳みかけるように、刀を抜く金髪ショートのヴィラン(ポム)と謎の権力者(イーサイ)がイーサンの前に立ちはだかり「君は終わりだ」と追い詰めていく。どんな困難なミッションも、最強のIMFチームと共に攻略してきたイーサンは、「仲間に手を出したら、お前の命はない。それが”運命”だ!」と啖呵を切りながら、命知らずの戦いに身を投じていく。

<Staff&Cast> 監督・脚本:クリストファー・マッカリー/出演:トム・クルーズ、サイモン・ペッグ、レベッカ・ファーガソン、ヴィング・レイムス、ヴァネッサ・カービー、ヘンリー・ツェーニー、ヘイリー・アトウェル、ポム・クレメンティエフ、イーサイ・モラレス/原題:Mission: Impossible – DEAD RECKONING PART ONE/配給:東和ピクチャーズ   公式サイト:missionimpossible.jp

©2023 PARAMOUNT PICTURES.

映画『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』は7月21日(金)より全国公開

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