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APR 18, 2023 劇場公開作

ゴダール幻のドキュメンタリー映画『1PM-ワン・アメリカン・ムービー』公開!問題作『中国女』限定リバイバル上映も決定

ゴダールとドキュメンタリー作家たちとの攻防と決裂

©Pennebaker Hegedus Films / Jane Balfour Service

2022 年 9 月 13 日に死去したジャン=リュック・ゴダール氏(享年 91 歳)が、1968 年に渡米し、映画撮影した様子を記録した幻のドキュメンタリー映画『1PM-ワン・アメリカン・ムービー』(英題:1PM)が新宿 K’s cinema ほかにて4 月 22 日(土)より全国公開される。加えて K’s cinema での上映期間中、1968 年の五月革命を予見したゴダールの問題作『中国女』を限定リバイバル上映。同時に『中国女』を巡るゴダールのドキュメント『ニューヨークの中国女』も初公開することが決定した。

©Pennebaker Hegedus Films / Jane Balfour Service

激動の 1968 年秋、ゴダール氏は『1PM-ワン・アメリカン・ムービー』というドキュメンタリー企画のため、アメリカ合衆国の反体制的な政治と文化の状況に目を向ける。カメラを回すのは、ダイレクト・シネマの旗手リーコックとペネベイカー。だが、ヌーヴェル・ヴァーグを牽引した末にいまや商業映画と訣別するに至ったゴダールと、ドキュメンタリー映画界の革命児たちの夢の共同作業は、編集段階で頓挫してしまう。本作は、ゴダール氏が放棄したフッテージをペネベイカーがなんとか繋ぎ合わせて作った映画である。現実と虚構を掛け合わせようとするゴダール氏の目論見と、現実を未加工のまま提示しようとするダイレクト・シネマの手法がせめぎ合い…黒豹(ブラックパンサー)党のエルドリッジ・クリーヴァーの談話や、ジェファーソン・エアプレインの印象的なパフォーマンスを捉えた記録映像を通じて、ありえたかもしれないゴダール映画を透かし見るのも一興だろう。

©Pennebaker Hegedus Films / Jane Balfour Service

<Staff&Cast> 『1PM-ワン・アメリカン・ムービー』(英題:1PM)/監督:D・A・ペネベイカー、リチャード・リーコック/撮影:ジャン゠リュック・ゴダール、リチャード・リーコック、D・A・ペネベイカー/録音:ケイト・テイラー/編集:D・A・ペネベイカー/出演:ジャン゠リュック・ゴダール、リップ・トーン、ルロイ・ジョーンズ、エルドリッジ・クリーヴァー、トム・ヘイドン、ジェファーソン・エアプレイン/1971 年/アメリカ/カラー/90 分/BD

●限定リバイバル上映

『中国女』

1968 年の五月革命を予見したと言われる、ゴダール氏と若者たちの熱気に満ちた討論の記録。ゴダール氏の二番目の妻となるアンヌ・ヴィアゼムスキーを初起用し、夏のヴァカンスの最中にアパルトマンに集って毛沢東主義をはじめとする新左翼の思潮について勉強会をする若者たちの生態を描いた本作は、戯画的なフィクションでありながら、テロリズムによる暴力の是非をめぐる不穏な議論が真剣に交わされるなど、当時の雰囲気をよく伝えている。

©Pennebaker Hegedus Films / Jane Balfour Service

『ニューヨークの中国女』

アメリカ合衆国においてゴダール氏の名声が頂点に達していた 1968 年、『中国女』の配給権を取得したリーコックとペネベイカーは、ゴダールが各地の大学を訪れる講演旅行を組織する。ニューヨーク大学の学生たちと、『中国女』をめぐって流暢な英語で当意即妙の議論を交わす 1968 年 4 月 4 日の映画作家の姿を収めた本作は、当時のアメリカでゴダール氏が若者にどれほど強い関心を引き起こしていたのかを生き生きと伝える貴重なドキュメントである。

©Pennebaker Hegedus Films / Jane Balfour Service

ドキュメンタリー映画『1PM-ワン・アメリカン・ムービー』は2023 年 4 月 22 日(土)より新宿・K’s cinema ほか全国順次公開

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