もう誰も手を差し伸べられない…社会のどこにも居場所がなくなった少女の複雑な心情を鮮烈に描き、ベルリン国際映画祭、ドイツ映画祭ほか世界各国の映画祭・アワードで37冠に輝いた衝撃作『システム・クラッシャー』(19)がついに日本上陸!4月27日(土)よりシアター・イメージフォーラムほか全国順次公開となる。
<Intoroduction> 監督・脚本は、本作が長編映画デビュー作となるノラ・フィングシャイト。2作目『消えない罪』(20/Netflix)では、サンドラ・ブロック主演で20年の刑期を終え出所した女性を描き、早くもハリウッドへの進出を果たし、3作目となる『The Outrun(原題)』(23)はアルコール依存症の克服を描き、シアーシャ・ローナンが主演・製作を務めたことも話題となった注目の新鋭。今、満を持して衝撃のデビュー作がベールを脱ぐ。
システム・クラッシャーとは、あまりに乱暴で行く先々で問題を起こし、施設を転々とする制御不能で攻撃的な子供のこと。助けることができない子供たちを指す言葉だ。フィングシャイト監督は、教育支援学校、緊急収容センター、児童精神科病棟など綿密に取材を重ね、現場を体験しながら5年間のリサーチを経て脚本を執筆し、そして映画化。その繊細かつ強烈な演出によりべルリン国際映画祭をはじめ世界各国で絶賛を浴びた。
制御不能な主人公ベニーを演じたへレナ・ツェンゲルは、その全身全霊を込めた熱演で2020年ドイツ映画賞主演女優賞を受賞。撮影当時10歳という若さで(歴代最年少受賞)快挙を成し遂げ、本作出演後、名優トム・ハンクス主演作『この茫漠たる荒野で』(20/Netflix)と共演を果たし、第78回ゴールデン・グローブ賞助演女優賞にノミネート。続いてA24 製作の『The Legend of Ochi(原題)』ではウィレム・デフォー、エミリー・ワトソンとの共演が決定している。バラエティ誌の「注目すべき俳優リスト10人」や、ハリウッド・レポーター誌の「注目すべきヨーロッパの才能リスト10人」にも選ばれ、その恐るべき演技力は世界的にも注目となっている。
<Story> 9歳の少女ベニー(ヘレナ)は、幼少期に父親から受けたトラウマを背負い、手の付けようのない暴れん坊と化してしまう。その怒りようといったら烈火のごとく、里親、グループホーム、特別支援学校、どこに行こうと問題を起こして追い出されてしまう。そんなベニーの願いはただ一つ、「ママのもとに帰りたい」…。だが、その母さえも、ベニーに対して愛情は持ちながらもどのように接していいのか皆目見当がつかず、施設へと押し付け続ける日々。このままでは何処にも居場所がなくなってしまう。そんな中、非暴力トレーナーのミヒャは、自分とベニーの二人きり、森深い山小屋で3週間の隔離療法を受けさせることを提案。最初は文句を言い続けていたベニーだったが、徐々にミヒャへ心を開き始める。
<Staff&Cast> 監督・脚本:ノラ・フィングシャイト /撮影:ユヌス・ロイ・イメール /音楽:ジョン・ギュルトラー/出演:ヘレナ・ツェンゲル、アルブレヒト・シュッフ、リザ・ハーグマイスター、ガブリエラ=マリア・シュマイデ/原題:Systemsprenger /英題:System Crasher /日本語字幕:上條葉月 /後援:ゲーテ・インスティトゥート/東京提供:クレプスキュール フィルム、シネマ サクセション /配給:クレプスキュール フィルム /2019年/ドイツ/ドイツ語/カラー/125分/ビスタ/公式サイト: http://crasher.crepuscule-films.com
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