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AUG 17, 2023 劇場公開作

カンヌで退出者続出!鬼才デヴィッド・クローネンバーグ最新作は“臓器”を生み出す人類の歪んだ進化を“黙想”する


<Introduction> 『クラッシュ』『イグジステンズ』『ヒストリー・オブ・バイオレンス』などの作品で数々の権威ある映画賞を受賞しながら、常に賛否両論、物議を醸してきた鬼才デヴィッド・クローネンバーグ監督最新作『クライムズ・オブ・ザ・フューチャー』が 8 月 18 日(金)より新宿バルト9 ほか全国公開される。

© Serendipity Point Films 2021

第75回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品されるも、そのあまりの過激さに退出者が続出!…なんて言われれば言われるほど観たくなるのがクローネンバーグ監督作品の真骨頂だが、製作になんと20 年以上を費やしたという本作のテーマは「人類の進化についての黙想」。鬼才が創造する人類の進化とは果たして…?いよいよ世紀の問題作が日本でベールを脱ぐ。

© Serendipity Point Films 2021

主演を務めるは『グリーンブック』『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズのヴィゴ・モーテンセン、自身のカラダから新たな“臓器”を生み出すアーティスト、ソールを演じ、彼を支えるパートナー、カプリースに『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』『アデル、ブルーは熱い色』のレア・セドゥ、さらには二人を監視する妖しい政府機関の女性ティムリンに『スペンサー ダイアナの決意』『アクトレス〜女たちの舞台〜』のクリステン・スチュワートという豪華キャストが顔を揃える。

© Serendipity Point Films 2021

<Focus Points> 製作になんと20年以上の年月を費やしたという本作。クローネンバーグ監督は1999年の時点でこの脚本を書いていたが、世に出す適切なタイミングだと確信できるまで、20年の時間を要した。このタイミングで映画化に動き出した理由として監督は、「世界中の人々が様々な社会問題を強く意識するようになった。例えば、海洋汚染により、現在あらゆる人の体の中にマイクロプラスチックが入り込んでしまっている。その状況を見て、この映画を作ることがこれまでになく説得力を持つ時だと実感したんだ」と振り返る。

© Serendipity Point Films 2021

以下、クローネンバーグ監督が本作に込めた思いを言語化したコメントを掲載するが、果たしてそれは観客に伝わるカタチで昇華されているのか。なぜ、カンヌの上映会で退出者を大勢出すほど賛否両論を巻き起こしたのか?観客自身の感性で本作と対峙してほしい。

●クローネンバーグ監督からのメッセージ

本作は人類の進化についての黙想です。 つまり、人間がこれまで存在しなかった非常にパワフルな環境を作り出したため、そのプロセスを制御しなければならなくなった世界を描いているのです。

本作は私がこれまでしてきたことを進化させた作品です。私の作品を見たことのあるファンの方々なら、私の過去作で見たことのあるシーンや瞬間を見つけることができるでしょう。それは、人間の体と関連付けるという、以前から継続した私のテクノロジーに対する見解です。

見た目がとても機械的で人とはかけ離れていたとしても、テクノロジーは常に人の体の延長です。こん棒や石を投げることで拳(こぶし)は強くなりますが、最終的には、そのこん棒や石は、人体がすでに持っているある種の潜在能力の延長なのです。

人類の歴史における重要な分岐点にある今、私たちが作り出した問題を、人体を進化させることで解決することができないだろうか?気候危機の解決策としてだけでなく、我々が成長し、繁栄し、生き残るために、人の消化器官を進化させ、プラスチックや人工素材を消化できる身体にすることはできないだろうか?

<Story> そう遠くない未来。人工的な環境に適応するよう進化し続けた人類は、生物学的構造の変容を遂げ、痛みの感覚も消えた。“加速進化症候群”のアーティスト、ソール(ヴィゴ)が体内に生み出す新たな臓器に、パートナーのカプリース(レア)がタトゥーを施し摘出するショーは、チケットが完売するほど人気を呼んでいた。しかし政府は、人類の誤った進化と暴走を監視するため“臓器登録所”を設立。特にソールには強い関心を持っていた。そんな彼のもとに、生前プラスチックを食べていたという遺体が持ち込まれる…。

© Serendipity Point Films 2021

<Staff&Cast> 監督・脚本:デヴィッド・クローネンバーグ/出演:ヴィゴ・モーテンセン、レア・セドゥ、クリステン・スチュワート/2022 年/カナダ・ギリシャ/ DCP5.1ch/アメリカンビスタ/英語/108 分/PG12/原題:Crimes of the Future/字幕翻訳:岡田理枝/配給:クロックワークス/STAR CHANNEL MOVIES/提供:東北新社 クロックワークス   HP:cotfmovie.com

© 2022 SPF (CRIMES) PRODUCTIONS INC. AND ARGONAUTS CRIMES PRODUCTIONS S.A.

映画『クライムズ・オブ・ザ・フューチャー』は8 月 18 日(金)より新宿バルト 9 ほか全国公開

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