本作はコンビニを舞台にしたちょっと異世界アドベンチャー。「時効警察」シリーズや『転々』『俺俺』などで独自の世界観を作り出してきた奇才、三木聡監督がメガホンをとり、映画評論家でプロデューサーのマーク・シリングと練り上げた渾身の企画を映画化。身近な存在であるコンビニを舞台に物語を描こうと思ったきっかけは、企画のマーク・シリングによる筋書きに、コンビニは何でも欲しいものが揃う独特の場所という描写があったことから。三木監督自身もコンビニという場所に対して不思議な印象を抱いていたことから本作はスタートした。
今作の見どころでもある成田凌×前田敦子×六角精児の三角関係については、等しい三角形ではなくいびつな三角形にしたいと考えていたと語る三木監督。過去に演出を手掛けてきたシティボーイズの作品でも 3 人の関係性を用いて演出するなど昔から 3人という構造が身近だったといい、惠子(前田敦子)と南雲(六角精児)という何処かバランスのおかしな夫婦に対して、加藤(成田凌)のフラットなキャラクターが入っていくことによって 2 人の異様さを引き立てている。
三木監督は『時効警察』『大怪獣のあとしまつ』にも出演した六角精児とは 80 年代的な視点やムードなど同時代のカルチャーを共有してきた世代だからこそ今作の中に反映されたものがあり、そこに成田凌、前田敦子が入ってくることによって、結果的に風景としても映画としても面白くなったと語る。そして観客に対しては、「お客さんの想像力は凄い」と話す三木監督。「自身が描かなかった空白の部分を埋めてもらったり、想像してもらいたい」と明かし、他にも影響を受けた作品や撮影時のこだわりなど奇妙で濃密な異世界の誕生秘話を語り尽くす。
<Story>
絶賛スランプ中の若手脚本家・加藤(成田)。映画の企画を持ち込んでもまったく手ごたえがなく、悶々と悩む日々を過ごしている。恋人の愛犬・ケルベロスのペットフード「犬人間」を買いに出かけたはずが、ひょんなことから欲しいものがなんでも見つかるコンビニエンス・ストア「リソーマート」に迷い込む…。妖しげな人妻・惠子(前田)と出会い、創作意欲が湧き始めるのだが…。
<Staff&Cast>
出演:成田凌、前田敦子、六角精児、片山友希、岩松了、渋川清彦、ふせえり、松浦祐也、BIGZAM、藤間爽子、小田ゆりえ、影山徹、シャラ ラジマ / 監督・脚本:三木聡 / 企画:マーク・シリング / 配給:東映ビデオ
日本劇場公開:2022 年 8 月 5 日(金)よりテアトル新宿ほか全国公開
公式 HP:conveniencestory-movie.jp
(c)2022「コンビニエンス・ストーリー」製作委員会