『レ・ミゼラブル』などで知られる文豪ヴィクトル・ユーゴーのダークファンタジー小説を最新CG技術を駆使して実写化した映画『美男ペコパンと悪魔』で、異世界を冒険する主人公ペコパン/隼人を演じた俳優の阿久津仁愛。舞台版『ミュージカル・テニスの王子様』3rdシーズンで主人公・越前リョーマ役を4年に渡って務め上げ、その後も舞台や映画、テレビドラマで唯一無二の個性を発揮してきた彼の努力が“映画初主演”というカタチで実を結んだと言っていいだろう。今回は、映画公開(6/2)に先駆け、阿久津の思いがいっぱい詰まったオフィシャルインタビューを紹介する。
<Story> 狩りの名手でもあるゾンネック城主のペコパン(阿久津仁愛)はファルケンブルグ城主の娘、ボールドゥール(下尾みう)と婚約する。婚礼を3日後に控えた日、ペコパンは狩りに出るのだが、その狩りの腕前が宮中伯に認められ、どんどんと出世をしていつしか世界中を旅することに。婚礼のためボールドゥールの待つ城へ一刻も早く戻らねばならぬペコペンは、その意とは真逆にどんどんと城から遠ざかっていく。襲いかかる異形のクリーチャーたちと対峙して途方に暮れている時、悪魔アスモデからある条件を飲むことですぐに城へ戻してやろうと持ち掛けられる。愛するボールドゥールとの再会のために条件を飲むペコパン。アスモデの申し出は天使の囁きなのか、 それとも悪魔の囁きなのか?
●阿久津仁愛インタビュー
ーー本作で映画初主演です。オファーが来ていかがでしたか?
阿久津:お話をいただいた時、まずは「美男ペコパンと悪魔」というタイトルの印象が強かったです。資料に、CGのクリーチャーと戦うと書いてあったので、やることが多い作品になりそうというドキドキとワクワクで一杯でした。 そして、その作品の主役をやらせていただけるということでとても嬉しかったです!
ーー1人2役と聞いて、どう思いましたか?
阿久津:似た二人ではなく、全くの別人だったので、一つの作品で二役できるという新鮮な気持ちでお芝居をしようと思いました。ペコパンのシーンは狩りだとか一人で立ち向かっていくシーンが多かったですが、隼人のシーンは(下尾)みうちゃんと楽しくおしゃべりしながら撮影に臨めました。どちらも自分のビジュアルの変化もありますし、楽しんで撮影をさせていただきました。
ーー脚本を読んで映画全体に関してはどう思われましたか?
阿久津:素敵なお話だなと思ったのと、アクションシーンはどう撮るのかな、どういう場所で撮るのかなと撮影がとても楽しみでした。 事故に遭うなどシリアスなシーンもあるんですけれど、現代のパートが入ることで、(物語が現代と本の中を)行ったり来たりとするのも面白いところですし、(『美男ペコパンと悪魔』の本を)読んでいる亜美がリアクションするというのも面白いなと思いました。
ーーペコパン役、隼人役を演じるにあたり、それぞれ何を大事に演じましたか?
阿久津:ペコパンに関しては、かっこよく、逞しく、強く、ボールドゥールのために困難を乗り越えていくというところを軸に役作りをしました。そこまで自分の感情を曝け出さずに、心の中で思っているというところを大事に演じました。 隼人は等身大の高校生なので、友達とも遊んだり、亜美と喧嘩をしながら、”青春を過ごしている”いう風に映ったらいいなと思いました。学校のシーンがあったらより学生っぽい雰囲気が出るんですけれど、学校のシーンがなかったのが難しかったです。会話のシーンは、今の若い子たちはこういう感じじゃないかなと探りながらやりました。
ーー本屋さんとかデートシーンで色々なところに行ったと思いますが、阿久津さんご自身はどんなところに行きたいですか?
阿久津:本屋だとしゃべれないですが、初デートなら、そこまで喋らなくても、本があることによって時間を共有できていいかもしれないですね。何回もデートしていたら、並んでいる時にコミュニケーションが取れるテーマパークとかに行ってみたいです。
ーー 本作の見どころはどこだと思いますか?
阿久津:見どころは全部です。壮大なロケーションと、アクションと、乗馬と、そして現代パートの隼人のお母さんと亜美との掛け合いだとか含めて、盛りだくさんだと思います。ニムロデと戦うところのアクションはすごく頑張ったので、注目して観てほしいです。
ーー 読者にメッセージをお願いします。
阿久津:初めての主演映画で二役をやらせていただいて、乗馬もアクションの殺陣も初めて本格的に体験させていただきました。自分の最善を尽くして撮影に臨むことができたので、『美男ペコパンと悪魔』の世界に入り込んで観ていただけたら嬉しいです。CGもとてもすごいので、ぜひ劇場で迫力と臨場感のあるアクションシーンを体感していただきたいです。
【阿久津仁愛 Nichika Akutsu プロフィール】
2000年12月23日生まれ。栃木県出身。15年「第27回ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」準グランプリ受賞。俳優デビュー後、16年から4年に渡り、ミュージカル『テニスの王子様』3rdシーズンで主人公・越前リョーマ役を担当。「俺のスカート、どこ行った?」「マイルノビッチ」「未来への10カウント」「アトムの童」などの話題のドラマに出演するほか、20年には「ツナガレラジオ~僕らの雨降Days~」で映画初出演を果たした。
<Staff&Cast> 出演:阿久津仁愛、下尾みう、梅宮万紗子、遠藤健慎、橘ふみ、梅村実礼、井阪郁巳、逢澤みちる、桝田幸希、希志真ロイ、佐藤考哲、岡崎二朗、堀田眞三、吉田メタル/企画・製作総指揮:堀江圭馬/監督・脚本・編集・VFX:松田圭太/原作:ヴィクトル=マリー・ユーゴー「美男ペコパンと悪魔」(翻訳:井上裕子)/プロデューサー:梅村 安、嶋田 豪/クリーチャーデザイン:SAZEN LEE、米山啓介、ムラマツアユミ/撮影:今井哲郎/照明:月岡知和/美術:菊地実幸/録音:弥栄裕樹/アクション監督:小原 剛/特殊メイク・造形:梅沢壮一/主題歌:けいちゃん「シンフォニア」(TOKUMA JAPAN COMMUNICATIONS)/制作協力:アーティット/制作:アイエス・フィールド、カラビナ/製作:株式会社ラーテルハート/2023年/日本/カラー/シネマスコープサイズ/5.1ch/99分 配給・宣伝:アイエス・フィールド 公式サイト:http://is-field.com/pecopin/index.html